「これまでの常識と異なる」新潟大特製の日本酒誕生、大学院生8人が手がけた「六花の杜」

 新潟大日本酒学センターの学生らが醸造を手がけた日本酒が初めて製品化されることになった。銘柄は「 六花りっか の杜」に決まり、19日の同大創立75周年記念イベントでお披露目された。ラベルのデザインを手がけた牛木辰男学長は「これまでの常識とは異なる新しい日本酒を目指した」とアピールしている。

 同センターは「日本酒学」を探究する教育研究組織として2018年に設立。大学院生8人が昨年12月から今年2月にかけて、県醸造試験場で仕込みから酒造りに携わってきた。

六花の杜の醸造に携わった大学院生ら(新潟市西区の新潟大日本酒学センターで)

 完成した日本酒は、県産米の「越淡麗」を100%使用し、バナナや洋なしなど果実のような香りが特徴という。銘柄は校章の雪の結晶を示す「六花」と大学のイメージカラーの緑を想起させる「杜」を組み合わせ、学生らが命名した。

 「毎年異なる味を楽しめる日本酒にしたい」との牛木学長のアイデアから、ラベルにはワインのビンテージのように醸造年を記した。また、QRコードも掲載し、香気成分などの成分表や学生が醸造する様子の動画をスマートフォンで見られるようにした。香気成分まで公表するのは珍しいという。

 牛木学長は、「若者の日本酒離れが進む中、ワインと同じように日本酒にも興味をもってもらうことで、日本の大事な文化として残していきたい」と期待を寄せる。

 醸造に関わった大学院生の星涼太さん(24)は、「酒を造る楽しみを実感できた。携わった酒が形になったことがうれしい。多くの人に届いてほしい」と話した。

 今回製造した六花の杜は、300ミリ・リットルと720ミリ・リットルの2種類。19日の式典で参加者に配るほか、来月3日に新潟市中央区の古町ルフルで行われる同大主催のイベントで試飲を行う予定。

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