追加利上げについて石破首相「そのような環境にあるとは思っていない」…日銀総裁と面会後に

 石破首相と日本銀行の植田和男総裁が2日、首相官邸で面会し、日銀の金融政策や金融経済情勢について意見交換した。石破氏の首相就任後、2人が面会するのは初めて。首相は面会後、記者団の取材に応じ、日銀の追加利上げについて「個人的にはそのような環境にあるとは思っていない」と述べ、日銀の利上げに慎重な姿勢を示した。

握手する石破首相(右)と日銀の植田総裁(2日午後、首相官邸で)

 首相は「日銀の政策に指図する立場にない」としたうえで、「『緩和基調は維持しながら、デフレ脱却に向けて経済が推移することを期待している』と総裁に申し上げた」と述べた。

 植田氏は面会後、記者団に「経済物価が我々の見通し通りに動いていけば、金融緩和の度合いを調整していくことになるが、見極めるための時間は十分にあると申し上げた」と語った。今後の利上げに向けて、時間をかけて経済や物価の動向を見極めていく考えを改めて示したものだ。

 植田氏は「総理から金融政策について、具体的にこうしてほしいという話はなかった」とも語った。

 市場では、首相の発言が追加利上げに否定的だと受け止められ、円売り・ドル買いが加速し、円相場は一時、1ドル=145円台半ばまで円安が進んだ。

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