石破茂・新総裁の経済政策、岸田路線を継承「デフレ脱却を確実なものに」…今後は「独自色」に注目

 自民党の石破茂新総裁は、岸田首相が進めてきた経済政策を基本的に引き継ぐ意向を示している。総裁選の公約として挙げた経済対策には、岸田政権が重視した物価高対策や労働市場改革などを並べた。岸田路線からの継続性を訴えることで安定感を演出したが、今後はどのように独自色を打ち出すかが注目される。

記者会見する自民党の石破茂新総裁(27日、党本部で)=松本拓也撮影

 石破氏は27日の総裁選後の記者会見で、「岸田総裁が一生懸命努力してきたデフレからの脱却を確実なものにしなければならない」「(首相が掲げた)『新しい資本主義』にさらに加速度をつけていきたい」と強調した。

 物価高対策に関しては、物価上昇を上回る賃金アップが実現するまでには「タイムラグ(時間差)がある」と指摘。「食料品やエネルギーにどういう政策が有効か、よく見極めたい」と述べるにとどめ、現在の電気・ガス代補助を延長するかどうかは明言しなかった。

 公約のうち、労働市場改革などは岸田政権の施策とほぼ同内容だ。独自色が垣間見えたのは「メリハリのある法人税体系の見直し」。石破氏は「法人税はまだ上げる余地がある」と語るが、総選挙が意識される中で増税のハードルは高く、実現には突破力が試される。

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