日本製鉄、韓国ポスコ株をすべて売却へ…1200億円規模

 日本製鉄は24日、保有する韓国鉄鋼大手ポスコホールディングスの全株式を売却すると発表した。日鉄は3・42%(約289万株)を保有し、24日の終値で計算すると約1200億円になる。約2兆円を投じる米鉄鋼大手USスチールの買収を控える中、資本効率の向上などが狙いで、技術交流など業務面の提携は今後も継続するという。

日本製鉄

 日鉄は1998年、ポスコが民営化された際に株式を取得し、相互出資の関係となった。鉄鋼業界の世界的な再編が進む中で、2006年には買収防衛のために連携を強化し、ポスコ株を5%超保有する時期もあった。ポスコも日鉄株を約1・7%保有しているが、今後の扱いは未定という。

 00年に両社が締結した戦略的提携は継続する。高炉の改修時に鋼材の原料を相互に融通することや、脱炭素化に向けた取り組みの協力などが盛り込まれ、今年8月に契約を3年間延長したばかりだった。

 日鉄は今後、米国やインド、東南アジアなど海外の成長市場に経営資源を集中していく方針だ。

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