欧州委がグーグルに科した2350億円の制裁金無効の判決…EU裁判所

 【ブリュッセル=秋山洋成】欧州連合(EU)の下級審にあたる一般裁判所は18日、EUの執行機関・欧州委員会が2019年、米グーグルがインターネット広告事業でEU競争法(独占禁止法)に違反したとして科した約14億9000万ユーロ(約2350億円)の制裁金を無効とする判決を出した。

 グーグルは、自社の検索エンジンを小売業者ら第三者のウェブサイトにも提供し、検索で入力された語句と連動した広告を展開している。欧州委は、グーグルが06年から16年にかけて、競合他社から配信された広告をウェブサイトに載せないことなどを第三者に契約で求め、公正な競争を阻害したと判断した。グーグルは処分を不服として提訴していた。

 今回の判決では、欧州委の判断の大部分を支持したものの、グーグルが第三者との契約で、競合他社の広告掲載を妨げたことが証明されておらず、欧州委がすべての事情を考慮せずに処分を判断したと指摘した。

 欧州委側は、最高裁にあたる欧州司法裁判所(ECJ)に上訴できる。

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