小林製薬、利益重視転換や脱創業家経営など再発防止策…紅麹サプリ健康被害

 小林製薬は17日、「 紅麹べにこうじ 」成分入りサプリメントによる健康被害問題の再発防止策を発表した。品質管理の強化に向けて利益重視の姿勢を転換することや、創業家を中心とした経営体制からの脱却などが柱で、来年1月以降をめどに必要な組織改正を進める。

小林製薬

 同社は一連の問題で、安全意識の欠如や企業統治の機能不全が指摘された。再発防止策では、これまで後回しになっていた法令順守や品質管理などの体制づくりへの投資を十分に進めるため、中期経営計画に盛り込んでいた「連続増益」の目標を撤回すると明記した。

 健康被害を把握してから2か月以上、規則で求められている行政への報告ができなかったことを踏まえ、製品の開発・製造に関する法律や規則を適正に解釈する専門部署を新設する。

 危機管理に関する事案が発生した際に適切な意思決定ができるよう、社長と少数の執行役員による新たな経営執行会議を発足させ、社外取締役とも連携を密にする。

オンライン記者会見で再発防止策を発表する小林製薬の山根聡社長

 山根聡社長は同日のオンライン記者会見で「全社一丸で課題を見つめ直し、意識改革する」と強調した。

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