「SHOGUN 将軍」続編の制作も決定…ディズニー苦戦の動画配信事業で追い風になるか注目

 米テレビ界で最高の栄誉とされるエミー賞で15日、米ウォルト・ディズニーが制作・配信したドラマシリーズ「SHOGUN 将軍」が作品賞や主演男優賞など、史上最多の計18部門で受賞した。苦戦が続くディズニーの動画配信事業の追い風になるか注目される。

ディズニーのイベントで展示された「SHOGUN」のブース(8月、米カリフォルニア州で)=小林泰裕撮影

 「SHOGUN」はディズニー傘下の米スタジオ「FX」が制作し、ディズニーの動画配信サービス「ディズニープラス」などで2月から配信された。米メディアによると、ディズニーがエミー賞で作品賞を受賞するのは19年ぶりだ。

 「SHOGUN」は、2月に行われた米アメリカンフットボールの王座決定戦・スーパーボウルでCMを流すなど積極的な広告展開も奏功し、配信開始から6日間で世界で900万回再生されたという。続編の制作も決まっている。

 ディズニーの映画・ドラマを含むエンターテインメント部門は、テーマパーク部門と並ぶ経営の柱だが、動画配信事業は苦戦が続いていた。2019年にディズニープラスを開始したが、初期投資などがかさんで赤字が続き、今年4~6月期決算でようやく黒字にこぎつけた。

 ディズニープラスの6月末の有料会員数は1億5380万人で、競合する米ネットフリックスの2億7765万人に大きく水をあけられている。「SHOGUN」の快挙を弾みに動画配信事業を拡大できるか、ディズニー経営陣の手腕が問われそうだ。(ニューヨーク支局 小林泰裕)

ジャンルで探す