日鉄のUSスチール買収計画、ホワイトハウス高官「大統領選後まで判断下されない可能性」…米紙報道

 【ワシントン=田中宏幸】日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画を巡り、米紙ワシントン・ポストは13日、バイデン政権が買収計画を阻止するかどうかの判断を11月の大統領選後に先送りする可能性があると報じた。ホワイトハウスの高官が「買収を巡る決定が短期的に行われるとは考えにくく、11月の米大統領選後まで判断が下されない可能性がある」と示唆したという。

USスチールの工場(4月、ペンシルベニア州ピッツバーグ郊外で)

 カリーヌ・ジャンピエール大統領報道官は13日の記者会見で、買収を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)から勧告は受けていないとし、「独立機関である彼らの勧告を受け、大統領が決定を下す」と述べるにとどめた。ロイター通信によると、23日の審査期限を90日間延長する可能性もあるとしている。

 米欧メディアは4日、バイデン大統領が国家安全保障上の懸念を理由に買収を阻止する方針を近く発表すると報じたが、その後、米政府高官を含む専門家がこうした懸念を否定するなど批判が相次いでいた。

 買収を巡っては、米大統領選の民主党候補カマラ・ハリス副大統領と共和党候補のドナルド・トランプ前大統領はともに計画に反対し、政治問題化している。

ジャンルで探す