燃料不足で成田空港への新規就航や増便断念…海外6社の57便

 成田国際空港会社(NAA)は27日、海外の航空会社が成田空港への新規就航や増便を断念していると明らかにした。日本国内で航空燃料を調達できないためで、26日までの1週間では国際線の57便が該当する。燃料不足で就航できないケースは地方空港で相次いでおり、成田空港でも影響が顕在化した格好だ。

成田空港

 57便は、中国などアジアの航空会社6社が計画していた新規・増発の旅客便。NAAの田村明比古社長は27日の記者会見で、「国としてインバウンド(訪日外国人)を積極的に受け入れている中、新しい需要を受け止めることができないのであれば、非常にゆゆしき事態だ」と述べた。

 田村社長はまた、商社や国などに航空燃料の輸入を働きかけていることも明らかにした。海外の格安航空会社(LCC)などの中には、折り返し分の燃料を積んで成田空港に飛来するケースもあるという。燃料の重さが増えるため、搭乗者数は減らしている。

 燃料不足には複合的な原因がある。燃料は原油の精製過程で生産されるため、脱炭素化の流れで原油の精製量が減った結果、燃料の生産も減少しているという。全国的な人手不足で、燃料を運搬する人員を確保できない事情もあるとされる。

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