三菱「アウトランダー」大幅改良! 3年ぶりの進化でPHEV性能強化 EV走行は100キロ超えを達成

三菱のフラッグシップSUV「アウトランダー」が大幅改良、10月31日から販売を開始します。どんな進化となったのでしょうか。

好評の部分はキープコンセプトで正常進化

 三菱自動車工業(以下、三菱)は2024年10月9日、クロスオーバーSUV「アウトランダーPHEV」を大幅改良して同月31日から販売開始すると発表しました。どのように改良されたのでしょうか。

三菱改良新型「アウトランダー」

三菱改良新型「アウトランダー」

 アウトランダーは、いまや三菱のフラッグシップとなったクロスオーバーSUVです。

 初代は2005年に登場し、現行型は2021年12月に発表された3代目にあたります。

 2012年に登場した2代目から、プラグインハイブリッド車(PHEV)が追加設定され(PHEVの販売は2013年から)、現行型の日本仕様はPHEVのみのラインナップとなっています。

 現行型のアウトランダーPHEVは、力強く存在感のある外観デザインとPHEVシステムを含めた動力性能、ツインモーター4WDと四輪制御技術「S-AWC」からなる高い操縦安定性、3列7人乗りシートの採用による使い勝手の良さなどが高く評価されています。

 今回の大幅改良では、これらの好評な部分はキープコンセプトとしながら、「洗練」と「上質」を重点項目として正常進化させています。

 まず、搭載されるリチウムイオンバッテリーを刷新して、バッテリー容量を約10%増の22.7kWhとしました。その結果、EV航続距離は「M」グレードで従来の87kmから106km(WLTCモード、以下同じ)その他グレードは83kmから102kmと約20km伸長しています。

 PHEVシステムは最高出力を約20%向上させ、電動車ならではのスムーズで力強い加速が持続し、高速道路での合流や追い越し時のストレスを軽減するとともに、エンジン始動頻度が低減し、より静かで気持ちの良いEVらしいドライブが楽しめます。

 またグリルシャッターの採用や、床下アンダーカバーやリアバンパーの形状を見直して空力性能を向上させ、走行抵抗の低減やPHEVシステムの効率化などで、ハイブリッド燃料消費率を「M」グレードで従来の16.6km/Lから17.6km/Lに、その他グレードは16.2km/Lから17.2km/Lへ燃費を向上しています。

 サスペンションチューニングも見直すとともに新開発タイヤを採用、路面からの振動やショックを低減し、より上質で安定した乗り心地を実現しました。

 さらに電動パワーステアリングのアシスト力の最適化と、出力の向上によるS-AWC制御の見直しにより、旋回中の安定性を向上させ、上質な乗心地とより安心感の高い操縦安定性を両立しています。

 エクステリアでは、フロントアッパーグリルをスムーズな造形にして質感を向上しています。前後スキッドプレートでは、立体的なデザインへの変更に加え、カラーをチタニウムグレーとしました。

 また、リアコンビネーションランプをスモークタイプとし、Tシェイプのテールランプを際立たせ、ターンランプ&バックランプをLED化しています。

 アルミホイール(20&18インチ)は、より上質感と力強さを表現した新デザインへと変更することで、力強く存在感のあるデザインをさらに強調しています。

 インテリアでは、最上級仕様のセミアニリンレザーシートのデザインを変更し、シートやインパネなどに新色の「ブリックブラウン」を採用(Pエグゼクティブパッケージ専用)することで、モダンでラグジュアリーな落ち着きのある室内空間としました。

 快適装備では、スマートフォン連携ナビゲーションのモニターサイズを従来の9インチから12.3インチに大型化し、コネクティッド機能の機能拡充により、ナビゲーション上でPlaces APIや、ストリートビュー、航空写真ビューを見ることが可能となりました。

 上級グレードには、運転席と助手席のシートベンチレーションや、デジタルルームミラー(フレームレス)などを採用し、利便性と快適性を高めています。

 さらに、ヤマハとアウトランダーPHEV専用に共同で開発したオーディオシステム「ダイナミック サウンド ヤマハ アルティメット(Pエグゼクティブパッケージに採用)」「ダイナミック サウンド ヤマハ プレミアム(P、G、Mに採用)」を搭載しました。

 最上級グレードのPエグゼクティブパッケージは新設定です。また、ユーザーから要望の多かった5人乗り仕様をPとPエグゼクティブパッケージにも設定しました。

 車両価格(税込)は、M(5人乗り)の526万3500円からPエグゼクティブパッケージ(7人乗り)の668万5800円となっています。

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