話題の「スペーシアギア」「N-BOXジョイ」発売! 続々と登場した「アウトドア系 軽ワゴン」の魅力とは? 最新モデル3台を比較
新型スズキ「スペーシアギア」、ホンダ「N-BOXジョイ」と相次いで発売されました。2023年に登場して人気を博している三菱「デリカミニ」と、3台出揃ったこれら最新の「アウトドア系軽ワゴン」。どのような違いがあるのでしょうか。
激化するアウトドア系軽ワゴン競争!それぞれの違いは?
現在軽自動車でもっとも注目を集めるのは、発売ラッシュが続く軽スーパーハイトワゴンをベースとしたアウトドアユースモデルと言えるでしょう。
アウトドア系軽ワゴン各車に共通する特徴は、SUV風の内外装デザインと汚れを気にすることなく使える防水シート&ラゲッジルーム。
そのほか多彩な収納スペースやシートアレンジ、後席USB電源ソケットなどが備わることで、アウトドアレジャーや車中泊で使いやすいように工夫が凝らされている点です。
これら以外に大きな違いはあるのでしょうか。最新のアウトドア系軽ワゴン3台の違いを比べてみました。
1台目として取り上げるのは、2024年9月20日に発売されたばかりの2代目新型スズキ「スペーシアギア」。スズキはアウトドア系軽ワゴンというジャンルを確立したパイオニアともいえる存在です。
新型スペーシアギアの特徴は、ユーザーへの気配りが行き届いたユーティリティと便利装備の数々。
多彩な収納スペースに加えて、助手席の座面を引き上げれば取外しも可能なシートアンダーボックスが備わり、大面積のダッシュテーブルも車中泊時に小物の置き場として活躍します。
さらなる特色は新型スペーシアから採用された3形態を使い分けられる「マルチユースフラップ」。
後席座面の前端に備わったフラップを引き上げれば、シートに乗せた荷物がズレるのを防げるため荷物が増えがちなアウトドアシーンでも大活躍するでしょう。
フラップを前方に引き出せば、オットマンシートのように脚を伸ばしてくつろげるためアウトドアレジャーの休憩所としても重宝します。
新型スペーシアギアは、ベースモデルの進化も相まってパワートレインや先進運転支援機能もアップデートされており、日常的な用途からハードなアウトドアレジャーまでツール感覚で使い倒せる軽ワゴンとして活躍してくれるはずです。
4WDの走行性能が自慢の三菱と、新しい価値観で対抗するホンダ
2023年5月に登場した三菱「デリカミニ」のもっとも大きな特徴は、悪路での走行性能の高さと言えるでしょう。
ライバルの走行性能は2WD/4WDともにベースモデルに準じているのに対し、デリカミニの4WDモデルは、165/60R15サイズの専用大径タイヤと専用サスペンションが装備されています。
不整地走行の要となる最低地上高はベースとなるekスペースの4WDモデルよりも10mm引き上げられ、アウトド系軽ワゴンのなかでもっとも高い160mmを確保しています。
さらに4WDシステムは一般的なビスカスカップリング式ながら、前後輪にあえて回転差を持たせることで常時4輪を駆動するように調整が加えられており、ライバルよりも高い駆動力と安定性を発揮します。
ユーティリティに関してもライバルに対して劣らず、後席は左右独立の320mmのスライド機構が備わるダイブダウン式で、後席格納時も荷室高を稼げるように配慮。ステアリングヒーターと車内の空気循環を促すリアサーキュレーターの設定があるのは、現状でデリカミニとスペーシアギアのみです。
デリカミニの2WDモデルをアウトドア向けライトユースモデルとすれば、4WDモデルはより過酷な用途に耐えるヘビーユースモデルであり、アウトドアシーンではデリカミニの名前に相応しい性能を発揮してくれるでしょう。
最後に紹介するのは、2024年9月27日発売のホンダ「N-BOX JOY」です。
N-BOX JOYの特徴はチェック柄を採用したおしゃれなシートと荷室床面。 しかも、ただのチェック柄ではなく撥水表皮となっておりアウトドアユースモデルに求められる機能性と耐久性がしっかりと備わっています。
またN-BOX JOYはあえて荷室床面高を高めることで、標準N-BOXよりも荷室がフルフラットに近づけられる工夫も凝らされています。
「ふらっとテラス」という名前の通りアウトドアレジャーで使い倒すというよりは、日常的にリラックススペースとしてクルマを活用できるように配慮されています。
荷室後端の床下には着脱可能な大容量のフロアアンダーボックスが追加されるため、アウトドアレジャーでのユーティリティ面でも抜かりはありません。
2023年10月にフルモデルチェンジした新型N-BOXは、先代に引き続き軽自動車の枠を超えた質感と乗り心地で評判のクルマです。
N-BOX JOYは、他に類を見ない全面チェック柄の荷室床面と持ち前の上質感で、既存のアウトドア系軽ワゴンとは異なる路線を狙っていることが伺えます。
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以上の3台のほか、軽スーパーハイトワゴンをベースとしたアウトドア系軽ワゴンには、助手席ピラーレスドアが特徴となるダイハツ「タントファンクロス」もあります。
いずれの車種も基本的な装備や機能はおおむね共通ですが、細部にはそれぞれのメーカーが込めた個性が光ります。
用途に最適な1台を選び出すためには、各車の特色を見極めて選び分ける必要がありそうです。
10/05 21:10
VAGUE