チェック柄に囲まれた「自分だけのスペース」が快適過ぎる!“第3の「N-BOX」”ホンダ「N-BOXジョイ」に“斬新インテリア”が採用された背景とは
“第3の「N-BOX」”ことホンダ「N-BOXジョイ」がついに公開されました。注目ポイントはなんといってもインテリア。なかでも、チェック柄のレジャーシートを広げたかのような雰囲気のラゲッジスペース回りのコーディネートは斬新のひと言です。果たしてどんな発想から生まれたコーディネートなのでしょう?
キャビンにチェック柄のレジャーシートを広げたような雰囲気
スタンダードな「N-BOX」、内外装をスポーティかつ上級に仕立てた「N-BOXカスタム」に続く“第3の「N-BOX」”がついに公開されました。
その正体は、昨今、トレンドとなっているクロスオーバーSUVスタイルを採り入れた「N-BOXジョイ(JOY)」。スズキ「スペーシアギア」が道を切り開き、ダイハツ「タントファンクロス」や三菱「デリカミニ」らが続いたマーケットに、ついに王者「N-BOX」も参入です。
たたし、「N-BOXジョイ」のコンセプトはライバルたちとはひと味違います。
ライバルは基本的に、「キャンプへGO!」といった雰囲気の“アウトドア感全開”の仕立てです。
しかし「N-BOXジョイ」は、キャンプを始めとするアウトドアレジャーへ出かけるシーンはあまり考えられておらず、あくまでねらいはプチアウトドア。日常の身近な場所でリアゲートを開け、後席の背もたれを倒してラゲッジスペースをくつろぎ空間として活用する……そんなシーンを想定しているのだそうです。
「『N-BOX』はリアシートの背もたれを倒すと広い空間が生まれるけれど、そこはほぼ荷物置き場としか使われていない。何か別の使い方はないものか?」
こうした発想が、ライバルとは異なる独特なコンセプトの出発点になったと開発陣は振り返ります。
それだけに、「N-BOXジョイ」で注目すべきポイントは、当然、内装です。なかでも、ブラウン基調のインテリアカラーに、シート表皮だけでなくリアシート背もたれの背面や荷室フロアまでチェック柄の生地をあしらった独特のコーディネートは、今まで見たことがありません。シートはともかく、荷室フロアまでチェック柄にするとは、斬新なチャレンジですね。
では、なぜシートだけでなく、荷室フロアまでチェック柄でコーディネートしたのでしょう? インテリアデザイナーに聞くと、「キャビンにレジャーシートを広げたような雰囲気に仕立てたかったから」といいます。
「フラットなラゲッジスペースは快適な時間を過ごすことができる。しかもレジャーシートを敷けば、無機質なラゲッジスペースがもっと楽しく過ごせる空間になる。けれど、レジャーシートだとズレる恐れがある。ならば、クルマ自体につけちゃおうという結論に達した」のだとか。
また、「幅広い年代の人、しかもジェンダーレスで使って欲しいので」と、あえてチェック柄を選んだインテリアデザイナーは、「シートの背面と荷室フロアとで素材を変えたくはなかった。変えると質感が変わるし、一体感もなくなるので」と、コーディネートのこだわりについても教えてくれました。
ちなみに、クルマの荷室フロアの色というのは黒が一般的。さらに、アウトドア仕立てのモデルであれば、はっ水性を持つ樹脂素材などで荷室フロアを覆うのが定番です。しかし「N-BOXジョイ」は、リアシートの表皮から続くチェック柄の生地をあしらっているのですから斬新すぎます。
●チェック柄の生地ははっ水加工済みだからガンガン使える
そんな「N-BOXジョイ」のインテリアに採用されているチェック柄の表皮は、パッと見ただけでは分からないものの、生地に細い青やオレンジの糸が織り込まれています。
インテリアデザイナーによると「単に“かわいい仕立て”にはしたくなかった。そのため、全体が明るくなりすぎないようトーンを落とし、また、色を複雑にすることで飽きがこない上に質感も高く見える生地にした」といいます。
さらに、生地内に複数の色が混ざっていることで、汚れが目立ちにくくなるのだとか。なかには、「でも、コーヒーをこぼしたらシミができちゃうでしょ?」といった心配をする人もいるでしょうが、心配は無用。
なぜなら、チェック柄の生地にははっ水加工が施されており、液体をこぼしてもさっと拭き取れば、シミが残るようなことはほとんどありません。はっ水加工済みなので汚れにくく、汚れても水ふきで簡単に落とすことができるのです。これならペットを飼っている人ともマッチングがいいですね。
また、擦り減ることが気になる向きもあるでしょうが、「コンテナやクーラーボックスなどを積んでも、一般的な荷室フロアの仕立てとそん色ない耐久性」と、開発者は胸を張ります。
間違いなく「ジョイ」を選ぶだけの価値がある
ホンダの新しい「N-BOXジョイ」には、標準車やカスタムにはない内外装のコーディネート以外にも、異なる部分があります。それはラゲッジスペースのフロア形状。標準車やカスタムに対して、最大で80mmほど高くなっているのです。
その理由は、リアシートの背もたれを倒してくつろぐ際、よりリラックスできるようにとの配慮から。標準車やカスタムのシート格納時の荷室フロアは、後方から前方にかけて斜めになっています。とはいえ、この状態だと寝そべる際には都合がよくないので、もっとリラックスできる姿勢で横になれるようフラットに近づけたというわけです。
「フロア高を高くする量は、自転車の積み下ろしのしやすさや、“はき出しし部分”に座る際の座りやすさなどを配慮して決めました。いわば、居心地のよさを追求した結果です。
もっとフラットにすることもできますが、完全にまっ平にするよりも、少し傾斜させた方がしっくりくるので、わずかながら傾斜は残しています」(インテリアデザイナー)
新しい。だけど、どこか懐かしい。しかも、温かみがある……。チェック柄でコーディネートされたインテリアだけで、筆者(工藤貴宏)は、すっかり「N-BOXジョイ」のとりことなってしまいました。「N-BOX」シリーズの中でどれか選ぶとすれば、迷うことなく「N-BOXジョイ」を選ぶことでしょう。
09/20 06:30
VAGUE