“初期型”オーナーが分析! トヨタ「GRカローラ」商品改良の中身とは? 日本仕様もまもなく実施?「タイミング」はいつ頃か

抽選に当たり、トヨタ「GRカローラ」のオーナーとなった筆者ですが、ご多分に漏れず、その後の商品改良や“改良型”「GRヤリス」の出力向上などが気になるご様子。さらにアメリカでは新たなる商品改良が発表され、ついにその日が来るのかと戦々恐々の毎日を過ごしているようです。

“初期型”の走りに不満はないけれど……

 筆者(古賀貴司)がトヨタ「GRカローラ」を所有して1年が過ぎました。

新開発の8速AT“GR-DAT”が追加設定された改良版のトヨタ「GRカローラ」。日本仕様は2024年10月頃のデビューとウワサされる

新開発の8速AT“GR-DAT”が追加設定された改良版のトヨタ「GRカローラ」。日本仕様は2024年10月頃のデビューとウワサされる

 納車されてからしばらくは、硬すぎる足回りに困惑。大げさではなく、高速道路の舗装のつぎ目を通過するたびに「ダッシュボードが外れるのではないか?」というほどの衝撃でした。購入前に試乗したわけではなかったので「ここまで硬いのか!?」と驚いたものです。

 あまりに気になったので、ガソリンスタンドへ行ってタイヤの空気圧を測ってみると、なんと規定値の倍以上の数値を示すではないですか! そういえば、新車の陸送時って、どんなクルマでも空気圧を高めてタイヤを風船のようにパンパンにし、最低地上高を稼いで下回りを擦ることを防ぐんですよね。もっと早く確認していればよかった……と悔いたものです。

 以降、乗り心地にはさほど不満を覚えていません。直線走行時、路面の凹凸を素直に伝えてきて驚かされることもありますが、コーナリング時の見事なまでの粘りはそんな驚きを忘れさせます。加えて、わずか1.6リッターの3気筒エンジンで、よくぞここまで走るなぁと、技術の進化をしみじみ感じさせてくれます。

 そうこうしているうちに、「GRカローラ」は一部改良を実施。サスペンション結合部のボルトが変更されたほか、フロントバンパーダクトの形状が変更されてスタビリティ向上が図られたそうです。「もう一部改良か……」と思いはしましたが、初期型の走りに一切の不満がなかったので、全然OK。それよりも、シアンメタリックというつややかな青色がボディカラーに追加されたことの方がショックでした……。

●AT追加よりも気になるスペックの変更

 そんな「GRカローラ」ですが、北米向けはすでに新たな商品改良がアナウンスされています。

 2025年モデルで最大の注目は8速ATが追加されたこと。「GRカローラ」についてはデビュー時から「タイミングを見計らって2ペダルモデルが投入される可能性もある」とトヨタ側も話していましたから、ついにそのときがやってきた、というわけです。

 この8速ATは、2024年1月に登場した“改良型”「GRヤリス」と同じ新開発の“GR-DAT”。“GAZOO Racing Direct Automatic Transmission”の頭文字をとったもので、AT制御ソフトウェアをスポーツ走行用に最適化しています。

 従来のATが、減速Gや速度などの車両挙動を感知して変速していたところを、“GR-DAT”はブレーキの踏み込み方と抜き方、アクセル操作まで細かく感知。車両挙動の変化が起こる前に変速が必要な場面を先読みし、ドライバーの意思をくみ取るギヤ選択を実現するのだといいます。

 筆者が所有する6速MTの「GRカローラ」は一連の変速の“儀式”がノスタルジックで、ドライバーが得る満足感は高いものの、速く走ろうとするときにメリットはない、といい切っていいと思います。シフトアップごとの間に若干ではあっても息切れを感じさせる辺りは、昨今の高性能ATに慣れ過ぎてしまったからでしょうか?

 またシフトダウンも、「GRカローラ」はヒール&トゥがやりにくいというのが筆者の率直な印象。もっともトヨタ側もそんなことは百も承知で、ヒール&トゥすることなく自動でシフトダウン時に回転数を合わせてくれる“iMT”なる機能を搭載しています。

 新しい8速ATなら相当速く走れるように感じるんだろうなぁ、と思いはするものの、本領を発揮する場面はサーキットであろうことも想像できます。

 参考までに、「GRヤリス」の8速ATモデルは、6速MTモデルと比較して20kgの重量増と35万円の価格アップとなっています。そんな“改良型”「GRヤリス」で気になるのは、最高出力、最大トルクともに「GRカローラ モリゾウエディション」と同じ304ps、400Nmまで引き上げられていること。これまでは「GRヤリス」と「GRカローラ」の間でスペック上の“ヒエラルキー”が設けられていたのに……。

 すでに北米で発表された商品改良版の「GRカローラ」も、8速ATの搭載とともに最大トルクが「モリゾウエディション」と同じ400Nmにまで引き上げられているようです。

 30Nmの違いをいい当てられる自信はありませんが、初期型オーナーの“スペックコンシャス”をくすぐる商品改良ですよねぇ。

 ちなみに日本向けの新型「GRカローラ」は、2024年10月ごろのデビューがウワサされています。

ジャンルで探す