歴史的パイロットウォッチが現代の技術でよみがえる!? いつまでも傷つかない特殊加工の秘密とは

ドイツのウォッチブランド SINN(ジン)より、ブランドのアイコン的存在である歴史的パイロットウォッチのシリーズに連なる「156.1 SINNクロノグラフ・ムーブメントSZ01 搭載パイロット・クロノグラフ」が発表となりました。

●歴史的パイロットウォッチが現代の性能で蘇る

 自らもパイロットであったヘルムート・ジンにより創設されたジンのパイロットウォッチは、当然ながらコックピットでの実用性を考慮しての完璧な視認性と精度を誇り、パイロットをはじめ多くのプロフェッショナルたちの厳しい任務を支えてきました。

 今回発表された「156.1」は、そんなジンの歴史的アイコンモデルのデザインを継承しつつ、自社製ムーブメントである「SZ01」や新たなテクノロジーを搭載して、“過去と現在”の融合を果たしたモデルとなっています。

 1980年から1990年代初頭にのみわずかな販売数で存在した「155」初期モデルと、その後継機種である「156」「156MILITARY」を前身としており、「156」に搭載されていたレマニア製の5012や5100ムーブメントこそが今回搭載の「SZ01」ムーブメント設計の基ともなっています。

ケースサイズは前身モデルと同様に43mmとなっているが、ラグ幅を22mmへと広げている

ケースサイズは前身モデルと同様に43mmとなっているが、ラグ幅を22mmへと広げている

 この「SZ01」が発揮する正確性や、ドイツの工業規格に準拠した4800A/mの耐磁性、約46時間のパワーリザーブがプロのためのウォッチとして確かな信頼性を発揮。

 時分針とスモールセコンド、日付表示とクロノグラフ、パイロットベゼルを備えており、ブラックのダイヤルやベゼルにホワイトで映える数字や目盛りが、パイロットウォッチらしい明確な視認性と機能美を生み出しています。

 そしてデザイン的なアクセントにもなっており、印象的なのがレッドが目を惹くクロノグラフ針。

 センターからはクロノグラフ秒針だけでなく、60分積算計の針も伸びており、その飛行機の翼が生えたような形状が、質実剛健といった印象のダイヤルの中でも、絶妙な遊び心も感じさせます。

 ケースサイズは43mmを踏襲していますが、ラグ幅を20mmから22mmへと拡大して外観のバランスを調整。

 パイロットベゼルは、シリーズでは初となる特殊結合方式により固定されており、外れることなくスムーズに回転します。

 このベゼルには、ジンの得意とする“テギメント加工”を施すことで、非常に優れた耐傷性を発揮。

 これは窒素を使用した浸炭加工により表面にセラミックと同等以上の硬度を与えるもので、長期に渡る仕様でもまるで新品のような美しさをキープしてくれることでしょう。

 このテギメント加工を施したのちにPVDコーティングを行うことを、ジンでは“ブラック・ハード・コーティング”と呼んでおり、直接PVDコーティングを行なった場合に発生する着色層の剥がれ“エッグシェル現象”を回避するという意味合いも。

 ストラップの違いで3つのバリエーションが用意され、ライナー付きブラックカウレザー、ヴィンテージスタイルのカウレザー、そしてステンレススチールブレスレットという選択肢。
 歴史的モデルの息吹と現代のテクノロジーとが見事に融合。新たな歴史を刻み始めるジンのパイロットウォッチにぜひ注目を。

●仕様/概要
「156.1 SINNクロノグラフ・ムーブメントSZ01 搭載パイロット・クロノグラフ」
・価格(消費税込):カウレザー仕様 87万5600円(予価)/ブレスレット仕様 92万4000円(予価)
・ムーブメント:SINNムーブメントSZ01、自動巻き、28石
・パワーリザーブ:約46時間
・振動数:毎時28,800回
・ケース:ステンレスチール製ケースマット仕上げ
・ガラス:両面無反射コーティングのサファイアクリ スタル
・防水性能:10気圧防水、DIN8310に準拠した防水性能
・機能 :時、分、スモールセコンド、日付、クロノグラフ、分表示と夜光マーカー付のパイロットベゼル
・SINN テクノロジー:特殊結合のパイロットベゼル、テギメント・テクノロジーにブラック・ハード・コーティングのベゼル
・サイズ:ケース径43mm、厚15.45mm、ケースラグ幅 22mm
・入荷時期:今秋

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