220馬力のホットハッチ アルピーヌ新型「A290」世界初公開! ブランド初のピュアEVは全長4mの5ドア・スポーツモデル

仏のスポーツブランド、アルピーヌは2024年6月13日、コンパクト ハッチバックのEV(電気自動車)、「アルピーヌ A290」を発表しました。どんなクルマなのでしょうか。

コンパクトEVになってもアルピーヌらしさは変わらない

 仏アルピーヌ(ALPINE)は2024年6月13日、ハッチバックのEV(電気自動車)、新型「アルピーヌ A290」を世界初公開しました。どんなクルマなのでしょうか。

世界初公開された新型「アルピーヌA290」

世界初公開された新型「アルピーヌA290」

 1976年にVW初代「ゴルフGTI」が誕生してから、スポーツカー顔負けの性能を持ったコンパクトハッチバックは「ホットハッチ」と呼ばれるようになりました。今回発表された新型アルピーヌA290は、まさにEV時代のホットハッチと呼べるクルマです。

 新型A290は、先に発表された「ルノー5 Eテック エレクトリック」と同じAmpRスモールプラットフォームを採用していますが、トレッドを60mm拡大しそのパフォーマンスに見合った筋肉質なボディをまとっています。

 ボディサイズは全長3990mm×全幅1820mm×全高1520mm、ホイールベースは2530mmという、コンパクトなシティカーのようなサイズを保っています。

 アルピーヌの創始者であるジャン・レデレ氏による作品をオマージュして、遠目にもアルピーヌと分かるように、フロントマスクは他のアルピーヌ車(A110)と同様4つのヘッドランプで構成されています。

 内側のランプは、ラリーカーのテーピングしたランプを彷彿とさせるX字型のモチーフが特徴的です。

 ボディは空気力学的に洗練されています。最大限の効率を追求して、有益な空気の流れだけでなく、広いサイドスカート、ディフューザー、ベーン、リアライトの形状を作成するためにバンパーのエアインテークを形作りました。A290には、リアの空気の流れを乱すような特大のスポイラーではなく、そのスポーティさを強調するためテールゲートに「ダックテール」が組み込まれています。

 コックピットは、ディープブルーのトーンを選択して、アルピーヌの典型的な世界観でもあるスポーティな雰囲気にまとめられています。ドライバーオリエンテッドなコクピットには、車名がバックライトで表示されます。

 コンパクトなボディサイズですが、A290は5ドアハッチバックの5シーターで、ラゲッジスペースは326リッターを確保しています。

 下側を平らにした3スポークのスポーツステアリングホイールはナッパレザーで覆われ、F1マシンのようにスポーク部にはリチャージ用ノブ、ドライブモード切り換えスイッチ、オーバーテイク用ボタンなどが備わっています。

 インパネ中央には10.1インチのモニターがドライバー側に向いてセットされ、エアコンなどの制御は運転中に視線を外すことなく操作できます。

 フロントシート間の高いセンターコンソールは、A110にインスパイアされたもので、ここにはR/N/Dの変速用セレクトボタンが備わっています。

 スポーツカーの基本的なコンポーネントでもあるシートには、細心の注意を払って設計されました。日常の快適さを損なうことなく、サイドサポートを補強しました。また、持続可能性へのコミットメントの証しとして、環境に優しい素材を採用しています。

 最初のトリムレベルでは、シートはグレインコート生地(15%リサイクルプラスチックと麻繊維)で布張りされ、シリカグレーのコントラストステッチと背もたれの上部に電気溶接されたアルピーヌのAロゴを備えたディープブルーの100%リサイクル生地が組み合わされています。

 ダッシュボード、センターコンソールの側面、ドアパネルは、グレインコーティングされた生地で覆われています。

 EV専用のプラットフォームにより、フロントアクスルの重量が少なくして前後重量配分を最適化し、重心を下げています。床下に配されたバッテリーはクルマの剛性に寄与し、室内スペースを最適化します。

 スケートボードスタイルのアーキテクチャーと小型モーターによりフロントエンドはコンパクトになり、短いホイールベースは運動性能を向上させ、広いトレッドは安定性を高め、より大きなサイズのタイヤが使用可能になります。

 ステアリングホイールには、セーブ/ノーマル/スポーツ/パーソナルの4段階に切り替えられるドライブモードのボタンが備わっています。また、赤いボタンを押すとオーバーテイク機能が働いて、最大10秒間パワーアップされます。

 ADAS(運転支援システム)も充実しており、ステアリングホイールの左側にあるボタンを使用すると、ドライバーは1つのジェスチャーでADAS設定設定を、たとえば、ADASのON/OFFの切り替え、介入のレベル、アラームなどを調整できます。また、ストップゴー機能と車線逸脱機能を備えたアダプティブ クルーズコントロールも標準装備しています。

A290のパワートレーンの最高出力は、ベースバージョンとGTプレミアムで180馬力、GTパフォーマンスとGTSで220馬力となります。どちらもEVならではのハイパワーと大トルクにもかかわらず、コントロールしやすいようにスロットルレスポンスはリアルスポーツカーのように調整されています。

 220馬力仕様は300Nmの大トルクを誇り、車両重量は1479kgにおさえられ、0→100km/h加速は6.4秒と、このカテゴリーではトップクラスです。しかも、最小回転半径は5.1mで、Bセグメント車としては十分以上の性能と汎用性を誇っています。

 駆動用のバッテリー容量は52kWhを標準装備し、WLTPモードで最大約380kmの走行が可能です。100kWのDC急速充電システムなら、30分で15%から80%に、また15分で最大150km走行可能(WLTPモード)な量を充電できます。

 また、V2L(ビークルtoロード)機能を使用して、充電ソケットを介して家電機器などのデバイスを接続できる双方向機能も組み込まれています。

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この新型アルピーヌA290、日本でも発売が予定されているようです。導入時期や価格など詳細は未定です。

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