日産「GT−R NISMO」は年収いくらなら無理なく買える!? 国産スポーツカーの代表モデルを購入するために必要な年収とは
日産の誇るスーパースポーツカーである「GT-R」の最上級グレードには、3000万円を超える価格が設定されています。そんなGT-Rを手にすることができるのは、いったいどのような人なのでしょうか?
GT-Rの最上級グレードを手に入れられるのはどんな人?
2024年5月現在、国産車のなかでもっとも高額な1台となっているのが、日産「GT-R」です。
日産の誇るスーパースポーツカーであるGT-Rは、エントリーグレードである「ピュア エディション」で1444万3000円、最上級グレードである「NISMO スペシャル エディション」では3061万3000円と、国産車のなかでは圧倒的な価格となっています。
もちろん、GT-Rがその価格に見合うだけのスペックを持っているのも事実です。
GT-Rに搭載される3.8LのV型6気筒エンジンは、最高出力570PS/最大トルク637Nmを発揮するほか、「NISMO」および「NISMO スペシャル エディション」では、最高出力600PS/最大トルク652Nmまでパフォーマンスが高められています。
価格はもちろん、性能も国産車最高峰のひとつであるGT-Rですが、実際に手に入れるためにはどの程度の年収が必要となるのでしょうか?
仮に、「購入するクルマの価格は年収の半分まで」という一般的な目安を当てはめて考えると、GT-Rの最上級グレードである「NISMO スペシャル エディション」を手に入れるためには、およそ6000万円もの年収が必要な計算となります。
たとえば、2023年における日産の取締役の役員報酬は1億円をゆうに超えており、理論上はGT-Rを手に入れるだけの収入があることがわかります。
あるいは、一流のプロスポーツ選手であれば、年収が6000万円を超えることもあるかもしれません。
もちろん、日産のような大企業の取締役だったり一流プロスポーツ選手だったりが、「NISMO スペシャル エディション」を購入するというケースもじゅうぶんに考えられます。
ただ、そうした人々だけが「NISMO スペシャル エディション」のオーナーであるかというと、必ずしもそうではないようです。
ある日産の販売店関係者によれば、「GT-R、特に『NISMO スペシャル エディション』のような高価なモデルを購入するのは、経営者の方が多い」としたうえで次のように続けます。
「GT-Rを購入されるお客様の多くは、いわゆる『オーナー企業』の経営者の方です。なかでも、GT-Rのようなモデルを経費で計上しやすい業種の方が多いようです。
そのため、現金一括ではなく、リース契約での購入も少なくありません。月々の支払額はおおむね30〜40万円となるため決してお安くはありませんが、『GT-Rを手に入れられるのであれば』とご決断される方がほとんどです」
2007年の発売当時には777万円で発売されていた現行型「GT−R」
一方、実際にGT-Rの購入を検討しているという会社経営者の男性によると、「クルマとしてのGT-Rが非常に魅力的である」ことを大前提としたうえで、GT-Rを選ぶメリットを次のように説明します。
「やはり、GT-Rのリセールバリューの高さは大きな強みだと思います。
中古車情報サイトを見ると、数年落ちのモデルでも新車価格と同等以上の値段で販売されていますし、『NISMO』などの上級グレードであれば4000〜5000万円という価格の個体も見られます。
仮に、3000万円の現金があったとしても、それをそのまま預金していては資産は増えませんし、インフレによって目減りしてしまう可能性もあります。
しかし、その3000万円でGT-Rの『NISMO スペシャル エディション』を手に入れることができれば、購入価格以上の金額で売却できるかもしれません。
売却益を得ることだけを目的にGT-Rを購入したいわけではありませんが、経営者という立場上、最悪の場合は常に考えなければならないのも事実です。
そうした時、いまある現金をGT-Rに置き換えるというのは、ひとつの選択肢になりうると思います」
ただ、GT-Rのリセールバリューの高さを支えているのが、その希少性であることは言うまでもありません。
前述の会社経営者の男性も「実際には、新車で購入する権利を得ることのほうが難しい」と漏らします。
ただ、もし仮にGT-Rの供給量が増えると、GT-Rのリセールバリューも低下する可能性があります。そうなると、資産としての価値も低下してしまうため、経営者がGT-Rを選びにくくなってしまいます。
こうしたジレンマが起こってしまうのも、GT-Rが国産車としては唯一無二のモデルであることの証かもしれません。
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もちろん、会社経営者であれば誰しもがGT-Rを手に入れられるわけではありません。
仮に、GT-Rの「NISMO スペシャル エディション」のようなスーパースポーツカーが経費計上できる業種であったとしても、3000万円の余剰資産もしくは月々30〜40万円の支払いをするためには、相応の利益が必要となります。
ある税理士の男性は「社用車に対して毎月30〜40万円の支払いをするには、その10倍程度の利益が出ているのが好ましいが、それだけの利益が出せるのはかなりの優良企業に限られるのでは」と話します。
2007年の発売当時には777万円という低価格が話題となったGT-Rですが、14年の時を経て、ほとんどのユーザーにとって高値の花となってしまったようです。
06/10 06:30
VAGUE