R36「GT-R」まもなく誕生か!? デザインはまるでR34のよう! 最大1000馬力を発生「次世代型GT-R」の気になる製作状況とは?

日産自動車のフラッグシップスポーツカーR35型「GT-R」は、2025年8月をもって生産が終了する見込み。そのため、次世代型の誕生に対し、人々の期待が高まってきています。そんななか、かつて「R36」と称したイメージCGを公開して話題を集めたアルティザン ビークル デザイン社が、ついに実車製作に着手しました。メーカー非公認ながら高い完成度を誇るデザインや内装をチェックします。

「アルティザンGT-R」にちらつくR34型の影

 日産自動車のR35型「GT-R」は、世界に誇る日産自動車のフラッグシップスポーツカーです。

 しかし、現行のR35型はすでに誕生から17年が経過。イヤーモデル制を採用しているため絶え間なく進化を続けていますが、ベースとなる車体自体はデビュー当初から変わっていません。

R35型「GT-R」をベースに実車化の作業が進む「アルティザンGT-R」

R35型「GT-R」をベースに実車化の作業が進む「アルティザンGT-R」

 R35型は「GT-R」というブランドを世界に通じるものとし、ここ日本ではトップクラスの人気と性能をキープしてきました。

 しかし、2024年3月に発表された2025年モデルをもって、R35型はいよいよ生産終了を迎えることになります。

 SNSなどでは、R35型の生産終了に対してさびしい思いを募らせたファンの声が多数見受けられる一方、次世代型であるR36の登場に関するウワサも絶えません。

 日産自動車は、「GT-R」を代表車種と位置づけており、今後も開発を検討していくとしています。しかし、年々厳しくなる環境規制への対応などあり、次世代型は純エンジン車でいくのか、ハイブリッドとなるのか、それとも電気自動車となるのか等、どのような構成のモデルとなるかは未知数です。

 さまざまなウワサが飛び交うのは期待の高さの裏返しともいえますが、そうした次世代型「GT-R」のデザインを独自に考えるファンも世界には存在します。

 なかでも、2年ほど前にSNSに投稿されたR36「GT-R」のレンダリング画像は話題を集めました。まるで実車のようであり、そのボディデザインのまま発表しても納得できるような仕上がりです。

 レンダリング画像とは、画像データをコンピュータ上で演算処理し、新しい画像を生成する技術のことですが、このR36「GT-R」のレンダリング画像はカーデザイナーのロマン・ミヤ氏とアバンテ デザイン社が制作。2022年に「R36スカイラインGT-R」としてInstagramに投稿され、人気を集めました。

 バーチャルの画像とはいえ、その設計や開発、3Dモデリングには6か月以上=数百時間を要したのだとか。そのためR36「GT-R」のレンダリング画像は実車と見間違うほどの出来栄えです。

 R36「GT-R」のレンダリング画像が人気を集めた理由は、R35型に第2世代「スカイラインGT-R」(R32、R33、#34型)のエッセンスを注入したからだと思われます。

 温故知新のコンセプトは、将来的な「GT-R」のスタイルと日本らしさを追求したビジョンを示したものだといいます。特にフロントマスクは、R34型の雰囲気が色濃く反映されています。

 R34型「スカイラインGT-R」は昨今、海外のオークションなどで1億円オーバーの価格で取引されるような大人気のモデル。そのため、R36「GT-R」のデザインにR34型のエッセンスが取り入れられるのも当然といえそうです。

●R35型をベースに実車化! 心臓部は1000馬力超えも

 R36「GT-R」のレンダリング画像は、公開された当初より多くのファンから実車化を望む声が挙がりました。そんなファンの声が、今回ついに実現します。

 生産を請け負うのは、ドイツにあるアルティザン ビークル デザイン社。R36「GT-R」を生産するために設立された会社です。

「アルティザンGT-R」と名づけられたR36「GT-R」は、完全オーダーメイドのスペシャルモデル。ベースとなるのはレンダリングと同じくR35型「GT-R」で、持ち込まれた車両をアルティザン社がR36へとリビルドします。

 まずはボディパネルの交換により、デザインをR36化。各パネルはカーボンファイバー製で軽量・高剛性を実現しています。

 ヘッドライトとリアコンビネーションランプは専用品に交換。いずれもR34型を想起させるデザインで、R36の個性を決定づけるアイコンといえます。

 インテリアも、全体的にリビルドされる模様。カーボンファイバーのパネルとアルカンターラを組み合わせたインテリアになるとのことです。

 レカロ製シートにはオリジナルのシート生地をあしらうほか、ステアリングやシフトノブも新たにデザインしたものへと交換されます。

 公開された写真からは、インパネ中央にR35型にはない大型のディスプレイが備わっていることが見て取れます。インフォテイメントシステムも更新されるのでしょうか。

 走りの性能も、「トラックパッケージ」と「アルティメットパッケージ」という2種類の仕様が用意されるなど、チューニングされる模様です。

「トラックパッケージ」は、インタークーラーや燃料ポンプの交換などによりエンジンをライトチューニングし、800馬力へとパワーアップ。排気系、トランスミッション、サスペンション、ブレーキシステムにも手が加えられます。

「アルティメットパッケージ」はさらに過激で、排気量を4.1リッターにアップし、ターボチャージャーも交換することで1000馬力を発生します。

 トランスミッションのリビルドはもちろんのこと、排気系、サスペンション、ブレーキ、エアロダイナミクスなどもレーシング仕様にアップグレードするようです。

 そんな「アルティザンGT-R」、ボディカラーは青、紫、白、黒など10色が用意されています。同社のWEBサイトでは着せ替えなどが可能なほか、細かいカスタマイズにも対応。好みのカラーをオーダーすることができそうです。

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 先頃、アルティザン社のSNSにリビルトの模様がアップロードされ、注目が集まっている「アルティザンGT-R」。SNSの情報によると、今後、さらなるアップデートも予定されているようです。

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