トヨタが「長持ちする車種ランキング」で1位から5位を独占! 40万km以上を悠々走行、米リポートで明らかに
耐久性トップの証明
人々の暮らしの道具として開発・製造されたクルマは、乗りつぶされてこそ本望だといえる。では、乗りつぶすにふさわしい耐久性を備えた車種はどれだろうか。
一般的に、買い替えを検討する走行距離は10万kmが目安とされているが、適切なメンテナンスを行えば40万km以上走行できる車種も存在する。まさに、乗りつぶすにふさわしいクルマだ。
先ごろ、米国の中古車情報調査会社「iSeeCars」が8月12日、
「最も長持ちする30車種」
を発表した。長持ちする車種ベスト10のうち6台がトヨタ車だった(加えて1台はレクサス)。この結果から、トヨタ車の耐久性の高さが改めて確認された。
平均的なクルマが40万kmに達する可能性は8.6%とされているが、今回の調査で1位となった北米トヨタが販売するフルサイズピックアップトラック
「タンドラ(TUNDRA)」
は、40万kmに達する可能性が36.6%とされている。
iSeeCarsは、最長寿命の車種を特定するために2013年から調査を始め、4億200万台以上のクルマを分析して、どの車種が40万kmに達する可能性が高いかを調査している。
40万km以上走る可能性の高い車種
最長寿命車種リストでは、スポーツタイプ多目的車(SUV)が上位30位のうち16位を占めている。ブランド別ではトヨタが最も目立ち、九つのモデルがリストに入っており、1位から5位を独占した。トップ10は次のとおりだ(パーセンテージは40万kmに達する確率)。
・1位:トヨタ・タンドラ(36.6%)
・2位:トヨタ・セコイア(36.4%)
・3位:トヨタ・4ランナー(26.8%)
・4位:トヨタ・タコマ(26.7%)
・5位:トヨタ・ハイランダーハイブリッド(25.9%)
・6位:ホンダ・リッジライン(25.8%)
・7位:シボレー・サバーバン(22.0%)
・8位:トヨタ・アバロン(22.0%)
・9位:レクサスGX(20.7%)
・10位:シボレー・シルバラード1500(18.8%)
トップのトヨタ・タンドラに続き、上位5台はすべてトヨタ車で、6位にはホンダ・リッジラインがランクインしている。ホンダ車もいくつかのモデルがリストに入っているが、トヨタ車の耐久性は群を抜いている。
最長寿命車種トップ30のうち、SUVは16台を占め、その中で4台がトヨタ車だ。シボレー、GMC、ホンダ、日産もそれぞれ少なくとも2台のSUVがリストに載っている。
また、トップのトヨタ・タンドラをはじめ、ピックアップトラックも大きな割合を占めている。フルサイズの軽量モデルが6台、中型モデルが2台ランクインしている。
5位のトヨタ・ハイランダーハイブリッドと23位のホンダ・アコードハイブリッドの2台は、燃費を重視するドライバーから支持を得ている。
乗りつぶしのハードルと選択肢
ブランド別に見ると、
・トヨタ
・ホンダ
・ラム
・GMC
・シボレー
・レクサス
・フォード
は多くのトラックと3列シートSUVを提供しており、これによりラインアップ全体の生涯平均走行距離を延ばしている。トップブランドであるトヨタとホンダは、セダン、トラック、SUVのフルラインアップを展開してその地位を確立している。一方、ラムやGMCなどのブランドは、トラックとSUVに重点を置いている。
トヨタとホンダが北米で築いてきた品質への信頼性は、自動車の使用実態にもしっかりと反映されているといえるだろう。
日本では、新車初年度登録から13年が経過すると自動車税や重量税が増加し、その頃から車検費用も高くなる傾向があるため、乗りつぶすにはいくつかのハードルが存在する。
しかし、人を乗せて走るために作られたクルマを使い倒し、乗りつぶす選択肢も、耐久性の高い車種なら十分に考えられる。検討を重ねて購入した愛車には、末永く乗りたいものだ。
経済的にベストな中古車
トヨタ車の信頼性は、中古車市場にも大きな影響を与えている。
米国の非営利団体「コンシューマーズ・ユニオン」が発行する消費者情報月刊誌「コンシューマー・リポート(Consumer Reports)」は、会員を対象に信頼性やその他の特性が最も高い自動車を選定し、中古車として最も価値の高い車種のリストを作成した。
このリストは、価格別に1万ドル(約140万円)以下、1万5000ドル(約215万円)以下、2万ドル(約280万円)以下のクラスに分けて選ばれている。部門別のトップは次のとおりだ。
・1万ドル以下の車種:シボレー・クルーズ(2017年)
・1万5000ドル以下の車種:ヒュンダイ・エラントラ(2019年)
・1万5000ドル以下のSUV:ホンダ・HR-V(2018年)
・2万ドル以下のハイブリッド:トヨタ・カローラハイブリッド(2021年)
・2万ドル以下の小型SUV:キア・スポーテージ(2021年)
・2万ドル以下のハイブリッド:トヨタ・RAV4ハイブリッド(2018年)
・2万ドル以下の3列シートSUV:マツダCX-9(2020年)
・2万ドル以下の高級SUV:ビュイック・エンビジョン(2020年)
・2万ドル以下のピックアップトラック:トヨタ・タコマ(2015年)
・2万ドル以下のスポーツカー:マツダ・MX-5ミアータ(2019年)
「コンシューマー・リポート」は、信頼性などの基本的な要素に加えて、乗り心地、加速、燃費、先進運転支援システムなどのさまざまな基準を評価し、ランキングを作成した。
同誌はまた、信頼性ランキングを参考にして、中古車を購入するのに最適なブランドもランク付けした。その結果、レクサスとトヨタが1位と2位を獲得し、3位のマツダとはかなりの差がついている。トヨタとレクサスの着実で慎重な車両アップデートが信頼性の重要な要因であると指摘されている。
興味深いことに、一部のブランドでは新車のスコアと中古車のスコアが大きく異なり、メルセデス・ベンツは新車の信頼性で29位だったが、中古車のスコアでは10位に上昇している。
新車維持費175万円超えの現実
最近、日本でも米国でも、自動車の維持費が年々高くなっているという報告がある。先日公表されたファイナンシャルプランニング企業「Bankrate」の調査によれば、米国では自動車の維持費が年間平均
「約7000ドル(約100万円)」
に達している。自動車税や車検がない米国でも、年間100万円近くが自動車を所有するだけで消えてしまうのだ。
さらに、米国自動車協会(AAA)の最新リポートによると、新車の維持費は年間1万2297ドル(約175万円)に上昇しており、2023年と比べて平均月額115ドル(約1万6000円)の増加となっている。
新車の所有コストが上昇している要因には、
・減価償却
・金融手数料
・車両価格
が含まれ、最近のインフレがこれらのコスト増に影響を与えていることが明らかになっている。
もし自動車が生活必需品として十分に使われているのであれば、維持費のコストを受け入れるしかないだろう。
しかし、クルマの利用が減っているのであれば、カーリースやカーシェアリングを検討するのもひとつの方法だ。新車の購入は所有欲を満たし、気分が高揚するものだが、一度冷静になって、購入後の維持費を事前にシミュレーションしてみることが重要だ。
09/25 11:51
Merkmal