手持ちのテントに大型前室を作れる「マエヒロシェルター」でソロキャンプでもリビング構築

【アウトドア銘品図鑑】

ライダーを応援する「デイトナ」のキャンプギアは、テントやテーブル、チェアといった嵩張るアイテムでも、収納サイズは長辺50cm以内に抑えた“バイクのキャリアに載るちょうどいい大きさ”。山岳用ほどシビアな軽量化は無用なキャンプツーリングのためのプロダクト開発でバイク派キャンパーの支持を集めています。

▲「neGla マエヒロドームプラス」(4万4990円)

代表作は2023年登場の「マエヒロドーム」シリーズ。“プラス”は220×135cm、“デュオ”は220×150cmのでっかい前室付きで、2ルームライクに使えるテントです。

ただ「もっと早く知っていれば。ドームテントを買ったばかりで買い増しするのももったいない…」という声もチラホラ。

そんな不満を抱えていたツーリングキャンパーに朗報。

2024年夏、手持ちのドームテントに前室をプラスする「neGlaマエヒロシェルター」(2万1780円)が発売されました。これがあれば、どんな小型ドームテントにも、雨や風の影響を受けづらい快適リビングが作れるはず!  試してきました。

 

■わずか1.35kgで前室を作れる

「neGla マエヒロシェルター」(以下、シェルター)は軽くてコンパクト。ドームテントと組み合わせれば、ほぼ「neGlaマエヒロドームプラス」(以下、ドームプラス)と同じ収納サイズになります。

▲キャリアに直接取り付けられるパルステープ、視認性の高いリフレクタープリントのロゴを採用した収納バッグ

上の写真左の「ドームプラス」は収納サイズφ18×44cm、重量3.7kg。右は「シェルター」で収納サイズはφ10×44cm、重量1.35kg。どちらも44cmでシートバッグ内に収まる設計です。

▲左上は私物のソロテント(収納サイズφ15×36cm、重量約1.2kg)を追加

私物のテントは山岳用ほどではありませんが徒歩旅を目的としているので「シェルター」と組み合わせても「ドームプラス」より軽い!

キャンプ用のドームテントは3〜4kgのものが多いので、「ドームプラス」よりやや重くなりそう。

▲アーチポール、本体、ペグ

「シェルター」は本体とアルミ製アーチ状ポール1本、Vペグ9本からなります。

▲ポールはアルミ合金A7001

アーチ状ポールは両端にくぼみがあるタイプで、グロメットにさしても抜けにくくなっています。ソロキャンではこの気遣い、めちゃありがたい。

設営はとっても簡単。

▲280×330×H160cm

設営したい場所に幕を広げ、アーチ状ポールをスリーブに通して本体裾のベルトに差し込んでおきます。

後部の張り綱を固定してから、手前のベルト部分とドアパネルの合計4か所、そしてサイドの張り綱2本をペグダウン。手持ちのポールを使えば単独でも利用可能です。

▲自在は挟み込むタイプ

自在金具は樹脂製の三角型。自在内側にギザがあり、挟み込まれた張り綱にしっかり食い込みます。ちなみに付属の細めの張り綱は、夜間の視認性がいいものの、昼間はステルス性能抜群。気をつけましょう。

▲対応するテントは幅220cmまで、高さ95〜125cm

テントと組み合わせるとこんな感じ。テント入り口をすっぽり幕で覆ういわゆる“小川張り”ですが、テントの天井部分と密着しているためでしょうか、風によるブレは少なく安定感あり。

テントをどこまで入れるかで前室の広さ、下部の隙間を調整できます。

 

■チェアを出しっぱなしにできる!

テントのパネルを跳ね上げられるものであればタープなしでもリビングを作れますが、夜はパネルを閉じるのでチェアやテーブルの置き場所に困る!

一方、通常のタープならパネルを閉じてもリビングはキープできますが、お気に入りのファニチャーやランタンを出しっぱなしにするのは今のご時世、不用心。

その点、「シェルター」を全閉にすれば荷物を出しっぱなしでも、のぞき込まない限り外からは見えることはありません。

▲寒さが苦手な人はテントをぐいっと入れこみ、取り外したサイドケースを置いて隙間を狭くしてもいい

アーチ状ポールのおかげで端の方まで有効利用できます。

前方にはファスナーが2本伸びていて、写真のように真ん中のパネルを開くほか、全閉、風下側の三角部分だけを開いて出入り口にするなんて使い方も。中央を下ろして両側だけを開放すれば視線を遮断したまま風を取り入れられます。

下部にはどうしても隙間ができますが、朝夕の冷え込みが厳しい季節に風の影響を受けづらいのはイイ!

そもそも「シェルター」にはベンチレーターが付いていないので、少しくらい隙間があるほうが湿気がこもりにくくなります。

▲夏は全開

このように前面をすべて巻き上げれば開放的。前面中央のパネルには跳ね上げ用のグロメットも付いていてアレンジ自在です。

「ドームプラス」の前室と比べてみましょう。

▲「ドームプラス」(左)と「シェルター」

奥行きは接続するテントの位置によるので単純な比較はできませんが、どちらも小型のテーブルとチェア1〜2脚を入れる余裕があります。

本家ともいえる「ドームプラス」は最大高143cmですが、寝室の前がもっとも高くなっていて出入りしやすいのはさすが。

一方、「シェルター」の最大高は160cmですが、テントに向かって低くなるので移動は腰をかがめる必要あり。とはいえ「シェルター」のほうがワイドで、テント位置によって奥行きを伸ばせるのがメリットです。

コンパクトなドームテントにでっかい前室を後付けする「neGla マエヒロシェルター」。愛着あるテントを2ルーム風にすればこれからの季節に大いに役立ちそう。

キャンツーのためのプロダクトではありますが、コンパクトに持ち運んで大きく使えるためコンパクトカーでのオートキャンプや徒歩キャンプにも重宝しますよ!

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<取材・文/大森弘恵 撮影協力/デイトナ>

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。X

 

 

 

 

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