ミノムシの糸で繊維開発、医薬品の興和 自動車や航空機向けも狙う

ミノムシが吐いた糸=興和提供

 医薬品メーカーの興和は20日、ミノムシが吐く糸を使った繊維を売り出したと発表した。「ミノロン」と名付け、粘り強さと環境への優しさをアピールする。近く発売されるスポーツ用品への採用が決まり、自動車や航空機への応用もめざす。

 繊維はカイコに詳しい国立研究開発法人「農研機構」と共同で開発し、クモの糸に劣らない粘り強さがあるという。数百万匹を実際に飼育し、ミノムシを屋内で1年中育てて、糸を思うように吐かせる技術も確立したという。

 ゴルフクラブやスキー、ラケットといったスポーツ用品には、炭素繊維を含んだプラスチックが使われている。ミノムシの繊維で作ったシートを組み合わせれば、より粘り強くなるという。大手スポーツ用品メーカーと開発した製品が来月にも発売される予定だ。

ジャンルで探す