世界一薄い折りたたみスマホ「HONOR Magic V3」を触ってみた
折りたたみスマートフォンの話題が少しずつ増える中、海外では普通のスマートフォンと同じ感覚で使える製品が登場しました。HONOR(オナー)の「Magic V3」です。
Magic V3は開くとほぼ正方形サイズの小型タブレットに変形する横折りタイプのスマートフォンです。サムスンの「Galaxy Z Fold6」、Googleの「Pixel 9 Pro Fold」と形状は似ています。閉じた状態のディスプレイサイズは6.43インチ、縦横比は20:9なので、閉じたまま普通のスマートフォンと変わらない感覚で使うことができます。
チップセットにはクアルコムの最上位モデル、Snapdragon 8 Gen 3を採用。カメラは5,000万画素の広角、4,000万画素の超広角、5,000万画素の3.5倍望遠を搭載しています。スマートフォンの性能も高いうえにカメラも他社のフラッグシップモデルに匹敵しており、折りたたみモデルでありながらハイスペックな製品でもあるのです。
一番の特徴が折りたたんだときの厚さです。Magic V3の厚さは9.2mm。たとえば「iPhone 16 Pro Max」「iPhone 15 Pro Max」の厚みは8.3mmなので、その差は1mm以下です。忘れては行けないのはiPhoneは普通のスマートフォンであるということ。Magic V3はこの厚さで折りたたみモデルなのです。ちなみに他社の折りたたみスマートフォンの厚さはGalaxy Z Fold6が12.1mm、Pixel 9 Pro Foldは10.5mm。Magic V3の折りたたんだときの厚さは世界最薄となっています。
実際に閉じた状態で持ってみると、Magic V3が折りたたみスマートフォンであることを忘れてしまうほどです。質量も226gと高性能モデルとして考えれば十分許容できる重さです。片手で本体を持つことも十分可能、高スペックでサクサク動くので使うことが楽しくなります。
本体を開くと7.92インチのディスプレイが現れます。2つのアプリの分割表示も楽に行えるので、動画を見ながらSNSをチェックする、といったことも可能。検索したお店の場所を調べるために、地図アプリを隣に開いて確認するのも簡単です。2つのアプリの組み合わせを登録もできるので、アイコンをタップするだけで2画面表示も可能です。なお専用のスタイラス「Magic Pen」を使えば手書き入力もできます。メインディスプレイだけではなく閉じた状態のアウトディスプレイでも手書きに対応します。この点はメインディスプレイだけでしか手書きできないサムスン製品に対しての大きなアドバンテージです。
開いたときの厚さは4.35mmと、こちらも大変薄くなっています。ヒンジはしっかりと180度開いた状態で固定されるため、ディスプレイが簡単に折れ曲がってしまうこともありません。小型タブレットとして考えてもここまで薄ければ持ち運びも楽に行えるでしょう。書類ケースに開いたまま入れておくこともできそうです。
折りたたみスマートフォンはディスプレイを曲げた状態で使うこともできます。このモードの便利なところはフロントカメラを使ってビデオ会議を行うときや、メインカメラを使って写真を撮影するときに、三脚が不要なことです。本体をカメラの向きに合わせて好みの角度に曲げてテーブルの上などに置けば、そのままカメラを使うことができるわけです。これは他社の折りたたみスマートフォンでもほとんどのモデルが対応している機能です。
HONORのスマートフォンは日本では販売されていないため、性能や品質に関してあまり知られていません。HONORはもともとファーウェイのスマートフォンブランドであり、2021年に独立したメーカーとして創業しています。ファーウェイを母体とする製品ノウハウを持っており、実際にHONORのスマートフォンは海外で高い評価を受けています。折りたたみスマートフォンは中国メーカー同士の薄型化競争が激化しているのですが、Magic V3は本家といえるファーウェイの最新折りたたみモデルよりも薄く、カメラ性能も高いのです。折りたたみ端末市場ではファーウェイを抜き去ったともいえます。
HONORが日本に参入する可能性は低いでしょうが、Magic V3に刺激され他のメーカーがさらなる薄型・高性能な折りたたみスマートフォンを開発し、それが日本で販売されることになれば、結果としてHONORの技術が日本やグローバルで販売されるモデルへの影響を与えたということになります。折りたたみスマートフォン分野では日本人が知らないメーカーが世界一の技術を開発しているのです。
富永彩乃+山根康宏 富永彩乃(とみなが あやの) ITジャーナリスト/自撮り端末研究家。日本や海外各国のIT事情、特に海外の最新スマートフォンやビデオコンテンツサービスに精通。海外展示会の取材も積極的にこなし、現地からライブ配信によるレポートや動画撮影・編集も自身で行っている。スマートフォン複数台を常に使いこなし、TVやメディアへの出演も多数。 山根康宏(やまねやすひろ) 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど活動の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。 この著者の記事一覧はこちら
Magic V3は開くとほぼ正方形サイズの小型タブレットに変形する横折りタイプのスマートフォンです。サムスンの「Galaxy Z Fold6」、Googleの「Pixel 9 Pro Fold」と形状は似ています。閉じた状態のディスプレイサイズは6.43インチ、縦横比は20:9なので、閉じたまま普通のスマートフォンと変わらない感覚で使うことができます。
チップセットにはクアルコムの最上位モデル、Snapdragon 8 Gen 3を採用。カメラは5,000万画素の広角、4,000万画素の超広角、5,000万画素の3.5倍望遠を搭載しています。スマートフォンの性能も高いうえにカメラも他社のフラッグシップモデルに匹敵しており、折りたたみモデルでありながらハイスペックな製品でもあるのです。
一番の特徴が折りたたんだときの厚さです。Magic V3の厚さは9.2mm。たとえば「iPhone 16 Pro Max」「iPhone 15 Pro Max」の厚みは8.3mmなので、その差は1mm以下です。忘れては行けないのはiPhoneは普通のスマートフォンであるということ。Magic V3はこの厚さで折りたたみモデルなのです。ちなみに他社の折りたたみスマートフォンの厚さはGalaxy Z Fold6が12.1mm、Pixel 9 Pro Foldは10.5mm。Magic V3の折りたたんだときの厚さは世界最薄となっています。
実際に閉じた状態で持ってみると、Magic V3が折りたたみスマートフォンであることを忘れてしまうほどです。質量も226gと高性能モデルとして考えれば十分許容できる重さです。片手で本体を持つことも十分可能、高スペックでサクサク動くので使うことが楽しくなります。
本体を開くと7.92インチのディスプレイが現れます。2つのアプリの分割表示も楽に行えるので、動画を見ながらSNSをチェックする、といったことも可能。検索したお店の場所を調べるために、地図アプリを隣に開いて確認するのも簡単です。2つのアプリの組み合わせを登録もできるので、アイコンをタップするだけで2画面表示も可能です。なお専用のスタイラス「Magic Pen」を使えば手書き入力もできます。メインディスプレイだけではなく閉じた状態のアウトディスプレイでも手書きに対応します。この点はメインディスプレイだけでしか手書きできないサムスン製品に対しての大きなアドバンテージです。
開いたときの厚さは4.35mmと、こちらも大変薄くなっています。ヒンジはしっかりと180度開いた状態で固定されるため、ディスプレイが簡単に折れ曲がってしまうこともありません。小型タブレットとして考えてもここまで薄ければ持ち運びも楽に行えるでしょう。書類ケースに開いたまま入れておくこともできそうです。
折りたたみスマートフォンはディスプレイを曲げた状態で使うこともできます。このモードの便利なところはフロントカメラを使ってビデオ会議を行うときや、メインカメラを使って写真を撮影するときに、三脚が不要なことです。本体をカメラの向きに合わせて好みの角度に曲げてテーブルの上などに置けば、そのままカメラを使うことができるわけです。これは他社の折りたたみスマートフォンでもほとんどのモデルが対応している機能です。
HONORのスマートフォンは日本では販売されていないため、性能や品質に関してあまり知られていません。HONORはもともとファーウェイのスマートフォンブランドであり、2021年に独立したメーカーとして創業しています。ファーウェイを母体とする製品ノウハウを持っており、実際にHONORのスマートフォンは海外で高い評価を受けています。折りたたみスマートフォンは中国メーカー同士の薄型化競争が激化しているのですが、Magic V3は本家といえるファーウェイの最新折りたたみモデルよりも薄く、カメラ性能も高いのです。折りたたみ端末市場ではファーウェイを抜き去ったともいえます。
HONORが日本に参入する可能性は低いでしょうが、Magic V3に刺激され他のメーカーがさらなる薄型・高性能な折りたたみスマートフォンを開発し、それが日本で販売されることになれば、結果としてHONORの技術が日本やグローバルで販売されるモデルへの影響を与えたということになります。折りたたみスマートフォン分野では日本人が知らないメーカーが世界一の技術を開発しているのです。
富永彩乃+山根康宏 富永彩乃(とみなが あやの) ITジャーナリスト/自撮り端末研究家。日本や海外各国のIT事情、特に海外の最新スマートフォンやビデオコンテンツサービスに精通。海外展示会の取材も積極的にこなし、現地からライブ配信によるレポートや動画撮影・編集も自身で行っている。スマートフォン複数台を常に使いこなし、TVやメディアへの出演も多数。 山根康宏(やまねやすひろ) 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど活動の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。 この著者の記事一覧はこちら
10/19 11:00
マイナビニュース