ガス大手3社が初の合同訓練 阪神大震災から30年 教訓いまも

大手ガス3社の合同訓練。東京ガスネットワークの社員(右)が、大阪ガスネットワークの設備の復旧に臨んだ=2024年11月15日午後1時12分、大阪市、西村宏治撮影

 都市ガス大手3社が15日、大阪市内で初めて合同の災害復旧訓練に臨んだ。被災時には、いかに応援に駆けつけるかだけではなく、いかに応援を受けるかも大切といい、訓練はそれを考える機会にもなっている。

 都市ガス大手は揺れが大きい地震が起きると、地域へのガス供給を止める。導管網に被害がないかを確認し、必要な対応をしてから、1軒ずつ開栓していく。

 15日の訓練は、東京ガス、大阪ガス、東邦ガス(名古屋市)の傘下で、導管網の維持管理やガス供給を担当する3社が参加。大阪ガスネットワークが、東京、東邦の各ネットワーク会社から応援を受け入れる想定で、計151人が参加した。東京、東邦の従業員が、導管の復旧やガス栓の開閉、ガスボンベでの臨時供給などの作業に臨んだ。

 応援者の宿泊先や食料などの確保や、会計処理などを担う総務隊も机上訓練に臨み、必要な仕事の流れなどを確認した。

 3社は2022年度に連携協定を結び、23年度は災害時の対応策を検討した。今回の訓練はそれに問題がないかどうかを検証するのがねらいだ。

 東邦の高坂政道企画部長は「過去の災害時の応援でも、作業のやり方や設備の仕様が違っていて苦労したことがある。訓練を通じて、スムーズに作業に入れるようになれば」と言う。

 東京の酢谷郁雄導管部長によると、復旧の応援に行った経験は多い一方、受け入れる機会はなかなかないという。「首都直下地震となると、数千人規模で受け入れることになる。受け入れる立場も考えながら訓練に臨んでいる」と話した。

■阪神大震災を経験した大阪ガス、いまも残る教訓

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