VW労使交渉を開始、賃上げ要求を拒否、独工場閉鎖の具体案は示さず

2024年9月25日、ドイツ北部ハノーバーでフォルクスワーゲン(VW)の労使交渉開始前、工場閉鎖検討に抗議の声を上げる従業員ら=寺西和男撮影

 独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は25日、ドイツ北部ハノーバーで、労働条件などの見直しに向けた労使交渉を始めた。VWは競争環境の激化などを受けてドイツ国内の一部工場の閉鎖を検討している。この日は具体案を示さなかったが、労働組合側の賃上げ要求を拒否し、コスト削減を図る姿勢を鮮明にした。

 VWは10日、国内6工場の従業員に対する雇用保障を含む労働協約を今年末で破棄すると労組に通知した。労使交渉では、工場閉鎖や人員削減の是非、新たな労働協定などが議題になるとみられる。

 25日の交渉後、VW側の交渉担当者は記者団に「会社の状況は深刻だ。生産性を上げ、将来の投資を確保するためにコストを削減する必要がある」と強調し、物価高を受けて労組側が要求した7%の賃上げを拒否したことを明らかにした。

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