春闘の賃上げ率、33年ぶり5%台 実質賃金のプラス転換が焦点

労働組合の中央組織・連合の本部=東京都千代田区

 今年の春闘について労働組合の中央組織・連合は3日、定期昇給(定昇)を含む正社員の賃上げ率が平均5.10%だったとする最終集計を発表した。物価高や人手不足を受け、政労使がそろって賃上げを訴える異例の展開となり、1991年以来、33年ぶりに5%台を記録した。今後は、物価の上昇分を差し引いた実質賃金がプラスに転じるかが注目される。

 最終集計は、1日午前10時までに回答があった傘下の5450組合分をまとめた。組合員300人未満の中小3816組合の賃上げ率は4.45%、300人以上の大手1468組合は5.19%だった。パートや契約社員など非正規労働者の賃上げ率も、時給ベースで過去最高の5.74%となった。

 給与水準を上げて物価高に対応するには、年齢や勤続年数に伴う定昇ではなく、基本給を一律に底上げするベースアップ(ベア)が重要となる。ベア分が明確にわかる3639組合の平均は3.56%。実質賃金の計算に使う23年度の消費者物価指数の上昇率3・5%と同水準だった。

■中小企業に波及するか

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