日産が「すごいリーフ」を初公開! 「手放し運転」できる”最新機器”搭載! 27年度に自動運転モビリティサービス提供を目指す

日産は、モビリティサービスの提供に向けて開発研究を進めている自動運転車両を公開しました。

自動運転によるモビリティサービス 2027年の提供を目指す

 日産は2024年6月3日、日本国内におけるモビリティサービスに向け、自社開発の自動運転技術を搭載した実験車の走行を、報道陣に公開しました。
 
 今後、公共交通のドライバー不足や地域交通に関する課題などを解決できる自動運転サービスの実用化を目指すとしています。

日産「リーフ」ベースの自動運転モビリティ実験車両

日産「リーフ」ベースの自動運転モビリティ実験車両

 現在、日本においてバス路線の廃止や運転手のなり手不足、タクシー運転手の高齢化や不足といった交通課題が深刻化しています。

 この課題について日産は、都市部と地方では異なる問題をはらんでいると分析します。都市部では限られた空間のなかに人とクルマが密集しているため、人・クルマそれぞれを共生させる必要があること、地方では公共交通の維持、人口流失を防ぐための街の魅力向上といった課題も浮上しました。

 こうした問題を総合的に解決するものとして、日産は従来から研究を進めている自動運転技術に加え、移動の制約をなくし、新たな移動空間を創っていくことが必要としています。

 日産では、2018年にDeNAとともに「Easy Ride」サービスの実証実験を開始。

 以降、日産の本拠地である横浜のみなとみらいエリアを中心とする都市部や、福島県浪江町での「なみえスマートモビリティ」など、一般車両と混走する環境でさまざまな自動運転サービスの実証実験を進めています。

 そして、今回公開した車両はバッテリーEV「リーフ」を用いた最新のもので、従来車両に対し性能が向上したカメラ、レーダー、ライダー(LiDAR)を採用。機器をルーフに搭載することで検出エリアを広げるとともに、より高精度の検出が可能になりました。

 認識性能や行動予測・判断機能・制御機能が向上し、歩行者などの行動予測、合流車線変更判断、交差点進入可否判断など、より複雑なシーンにおけるスムーズな走行が可能になるといい、運行設計領域(ODD)の拡大につながるとしています。

 今回は、メディア向けの試乗もみなとみらいエリアで実施され、事前に設定されたルートをリーフの実験車両で走行しました。走行時は万が一に備え、運転席にはセーフティドライバーが乗車しています。

 実際にはセーフティドライバーによる介入は全くなく、路上駐車や横断歩行者、道路沿いの施設から流入する他車の動きをリアルタイムで検出するとともに、動きを先読みし早めのブレーキや操舵による回避などの動作が見られました。

 ブレーキや加速などは、通常のICE(内燃機関)車と比較するとBEVのリーフとの相性も良いようで、停車・発進などはかなりスムーズなため、乗員は安心して移動できる制御になっています。

 日産は今後、技術開発をさらに推進していくとともに、サービスの提供に向けて配車・運行管理システムや、車両の保全、遠隔による運行監視など、運営に必要な仕組みの構築を行うことで、2027年度から自動運転によるモビリティサービスの提供を目指すとしています。

 日産自動車 総合研究所 モビリティ&AI研究所 主任研究員の高松 吉郎氏は、以下のように話しています。

「2025年から2026年に、みなとみらいで日常的な自動運転サービスがある状態を目指しています。

 このサービスが定着してきたら、みなとみらい以外の別の地域に拡大し、さらに2030年頃には『自動運転サービス』というのが定着することで、地方の町の価値が向上していく、日本全体が盛り上がっていくということを目標としています」

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