「間もなく退役…しません!」 アメリカ海軍の超ベテラン軍艦がまさかの”定年延長” その理由とは?

老兵は消え去らず

2030年代まで現役にとどまる見通し

 アメリカ海軍は2024年11月4日、2027年までに全艦退役が予定されていた9隻のタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦について、うち3隻の運用期間を延長すると発表しました。

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今回運用延長が発表された巡洋艦「ケープ・セント・ジョージ」(画像:アメリカ海軍)。

 アメリカ海軍の発表によると、対象となる3隻は「ゲティスバーグ」「チョーシン」「ケープ・セント・ジョージ」で、いずれも1990年代初めに就役した古参艦です。
 
 これらは2027年までに退役が予定されており、「ゲティスバーグ」および「チョーシン」はそれまでの運用継続に必要な艦齢延伸改修を完了、「ケープ・セント・ジョージ」も来年までに改修が完了する予定です。しかし、今回の決定により、3隻は2030年代まで運用を継続することとなります。

 この運用期間延長は、現在アメリカ海軍が進める新型戦闘艦艇「DDG(X)」の建造計画が遅延していることが原因です。DDG(X)は、タイコンデロガ級およびアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦フライトI/IIの後継艦で、本来は2028年に1番艦が就役する見込みでした。ところが、価格高騰などにより現在はそれが早くとも2032年までずれ込んでしまい、結果として既存艦艇の延命措置により水上戦力の維持を図ろうとしているわけです。

 アメリカ海軍は、上記3隻は艦齢延伸に関する物質的な準備が整っているとしたうえで、過去の近代化改修プログラムで得た経験などを活かしながら確実に今回の計画を前進させるとしています。

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