「大雪ですよ!通行止めしますよ!出るとヤバイですよ!!」と言っても“効かない勢”あきらかに 高速道の雪対応の課題

冬を前に道路管理者が雪対応を進めています。大雪が降り始める前から広報を強化し、予防的通行止めなども行いながら、大規模立ち往生を徹底的に回避する姿勢を継続しますが、そこまでしても、あまり効果がなかった一面も見てきました。

冬の通行止めのほとんどの原因は「事故」

 NEXCO東日本は2024年10月30日、由木文彦社長の定例会見を開催。本格的な雪氷対策シーズンを前に、昨年の対応状況を振り返りました。

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2020年12月にに関越道で発生した大規模な車両滞留の様子。解消までに最大50時間を要した(画像:NEXCO東日本)。

 近年、大雪時にクルマのスタック(自走不能になること)を契機とした大規模な車両滞留が相次いでいることから、道路管理者は警戒感を強めています。NEXCO東日本管内では2020年12月、関越道で最大2100台が巻き込まれる大規模滞留が発生し、解消に最長50時間を要しました。

 大規模滞留は、現場に取り残された人の命や健康を脅かし、近隣地域の生活や社会経済活動への影響が大きいことから、国やNEXCOは大規模滞留を徹底的に予防する対策を強めています。

 このため、大雪が予測される3日前から通行止め可能性の呼びかけ、体制の強化、1日前から「予防的通行止め」の予告、テレビCMなどでの出控え要請、さらに降雪中の広報強化といったタイムラインを設けて取り組んでいます。

 結果として、2024年2月5日から6日にかけて発生した首都圏などでの大雪では、通行止め延長が約1300kmに及んだものの、大規模な車両滞留は発生しなかったそうです。

 しかし、こうした広報が“効いていない”側面もあきらかになりました。

 この期間中における関越道や東北道の交通量は、前週と比べ小型車で16%減少しましたが、大型車はあまり減っていなかったのです。外環道では、むしろ大型車が4%の増加となっています。

 この間に、通行止め区間や解除見込みに関する問い合わせは6000件を超えたそう。「より効果的な広報が必要」だと由木社長は話します。

 昨冬シーズンの通行止めは、積雪や視界不良などではなく「交通障害」を原因とするものが51%、うち「交通事故」によるものが84%だったそうです。大型車の事故が通行止め、さらには大規模滞留の原因になるケースが多いことから、この交通量をいかに減らすかが、ひとつの課題といえそうです。

 NEXCO東日本は大雪予報時における出控え、また物流事業者や荷主に対する「運送日の変更」を改めて呼びかけています。これまでの対策から、NEXCO他社も「荷主を意識した」協力の要請を行ってきています。

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