日本有数の「事故多発地帯」を“まるごと立体化”準備着々! デカすぎる平面交差のヤバさ 岐阜を貫く「岐大バイパス」

岐阜市内の国道21号「岐大バイパス」の立体化工事が始まろうとしています。名神高速からもやや遠い岐阜市とその前後を東西に貫く大幹線ですが、かなり事故が多い区間でもあります。

全国最多クラスの事故が起こる交差点も「立体化」

 岐阜市内を東西に貫く国道21号「岐大バイパス」の立体化事業が進んでいます。2024年10月現在は、道路の真ん中に高架を立てるスペースを確保すべく、切り回し工事の真っ最中です

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立体化事業が進む岐大バイパスの岐阜市内。至るところに「追突注意」の表示が(乗りものニュース編集部撮影)。

 岐大バイパスは岐阜市と大垣市を結ぶ23.9kmものバイパスで、東は東海北陸道の岐阜各務原IC、西は東海環状道の大垣西ICに接続しています。岐阜各務原ICから岐阜市街の手前、新荒田川の東側までは主要交差点も立体化されています。

 そこから長良川までの岐阜市街中心部を横断する約5kmが、今回の立体化区間です。この区間は往復6車線が確保された広い道路ですが、交通量もかなりのもの。しかし全て平面交差であり、慢性的に混雑が発生しています。

 こうした区間を連続的にパスする4車線の高架道路を新設することで、地上と高架あわせて8車線化され、交通量にも余裕が生まれます。

 そして、同区間のもう一つの課題が、「事故が異様に多いこと」です。

 たとえば北側6車線、南側4車線の道路が接続する「薮田」交差点は、日本損害保険協会が毎年発表している「全国交通事故多発交差点マップ」において、事故件数でしばしば県内ワーストとなっており、2018年までの10年間(ノミネートされなかった2015年を除く)における事故総件数428件は全国で最多でした。その多くが追突事故となっています。

 2020年の「全国交通事故多発交差点マップ」に至っては、県内ワースト5交差点すべてに、この岐大バイパスの立体化区間の交差点が含まれているほどです。

 国土交通省は立体化の整備効果として、岐大バイパスの立体化されている部分と平面部とを比較して、事故率が約6割減になるとしています。

 岐大バイパスは、美濃加茂市から岐阜市を経て大垣市までを結ぶ高規格道路「岐阜南部横断ハイウェイ」の一部を構成するとされています。名神高速の北側で、東西の都市間連絡を担うような構想ですが、特に岐阜市街はロードサイド店が立ち並び、その出入りの交通も入り混じる状態。立体化によって旅行速度が向上し、“ハイウェイ”のような快走路になり得るのか、注目です。

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