英国陸軍“驚愕の人員不足”が明らかに「ナポレオン戦争以降で最低」現場の最高司令官も嘆き

割と深刻な数…。

直近2年で約5000人も減少!?

 イギリスのジョン・ヒーリー国防相は2024年10月13日、同国陸軍に関する問題についての演説を庶民院で行い、2025年に陸軍の将兵が7万人を割る見通しである事を明らかとしました。

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揚陸艦に乗るイギリス陸軍の主力戦車「チャレンジャー2」戦車(画像:イギリス陸軍)。

 この件はイギリス国内の複数のメディアで報じられています。ヒーリー国防相の発言は壇上において前政権によって国防に関する政策が放置されたと批判し「軍人の士気は記録的に低く、陸軍の数は来年7万人を下回る見通しである」と発言したそうです。

 イギリス陸軍の将兵が7万人を下回ることは、ナポレオン戦争(1803年5月18日~1815年11月20日)以降初の出来事ということで、国防能力の低下が懸念されています。

 ここ数年イギリス陸軍の人員減少の勢いは急激で、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった2022年よりも約5000人減少しています。これはイギリス政府が陸軍への予算削減や規模縮小を行っている影響もありますが、それ以上に大きな問題なのが、なり手不足です。同国陸軍は数年間に渡り毎年、募兵目標を達成していません。

 若者が軍隊を避ける大きな理由は、低賃金や集団生活による劣悪な住居環境にあるようで、保守党から労働党に政権交代が起きた後の2024年8月にスターマー新政権は陸軍兵士の給与を6%引き上げることを決定しました。

 なお、こうした陸軍の縮小傾向は人員だけではなく、兵器や軍用車両も同様で、2023年7月には首相や国防相をサポートする、いわゆる制服組のトップであるトニー・ラダキン国防参謀総長が軍の惨状に不快感をあらわにし「ナポレオン戦争以降、最も規模が縮小している」と発言したこともありました。

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