ANA「超高性能訓練機器でグラハン育成します」驚愕の効果とは 時短&工数減&安全性向上のトリプルスリー

想像以上に作りや挙動がリアルでした!

「プッシュバック」など4コンテンツ

 ANA(全日空)が2024年10月から、就航空港で機体の地上支援を行う「グランドハンドリング部門」の訓練に、VR訓練シミュレーターを導入します。同社によると、このことで、例えば旅客機を牽引するトーイングカーで機体をバックさせる「プッシュバック」の作業担当者を育成する訓練期間などが、約39%程度圧縮できると見込まれるそうです。

Large 01

プッシュバックされるANA機(乗りものニュース編集部撮影)。

 この「アトラス」と呼ばれるシミュレーターは、「プッシュバック/トーイング」「パッセンジャーボーディングブリッジ(搭乗橋)」「防除雪氷」「特殊車両走行」の4コンテンツの訓練を行うことができます。トレーニングはANAが運航する旅客機の全タイプや空港、天候、時間帯を選べるほか、不具合や不測の事態を強制的に発生させる機能も備わります。

 これまでこうした業務は、夜間などの機体が稼働していない時間帯などに実機を用いて行われることが多かったといいます。今回、訓練の一部をシミュレーターに置き換えることで、実機を使用せずにトレーニングできることはもちろん、訓練補助要員を減らすことができ、時間の制約も緩和され、少ない人員で訓練できるようになります。これにより、訓練効率が向上、早期の人材育成、訓練稼働時間の短縮が可能になるとのことです。

 また、VR訓練の導入で安全性向上も期待できるといいます。これまで習得の過程では、空港によって実際に実機・実車に触れられる時間にばらつきがあり、車両の取り扱い操作に慣れるまでに時間を要するという課題があったといいます。今回のVR機器の導入で、そうした機会の少ない空港で訓練するスタッフでも訓練時間を十分確保でき、車両特性の理解促進や不安全な状況の模擬体験など、スタッフの習熟度を高められるとしています。

 なお担当者は、今回の機器について、リアリティと操作性については特にこだわったポイントとしています。

ジャンルで探す