「電話を切らせていただきます」 首都高「カスハラ対策」に“手応え” 安堵しているスタッフって?

首都高が策定した「カスハラ対策」に手応えを感じているようです。とはいえ、ETCが発達したいま、顧客と最も接点を持つ部署とは何でしょうか。

「切っていいよ」が安心に

 しばしば取り上げられる「カスハラ」問題。運輸部門ではバスやタクシー、鉄道会社など、日常的に利用者と接する従業員を守るため、各社が続々と対策を打ちだしています。

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首都高が「カスハラ対策」に手応えを感じている。写真はイメージ(乗りものニュース編集部撮影)。

 そうしたなか、高速道路会社でも対策が進んでいるようです。首都高速道路の寺山 徹社長は2024年10月2日の記者会見で、同社のカスハラ対策について紹介しました。

 高速道路会社で利用者と直接的に接するのは、料金所? SA/PAのスタッフ? と思う人もいるかもしれません。実はカスハラ対策のメイン対象は、電話対応を担う「お客様センター」です。

 首都高では2023年5月に高速道路会社で初めて「切電(きりでん)マニュアル」を策定し、運用を開始。今年6月からは、暴言を含むメール問い合わせにも対応しないこととしたといいます。

 とはいえ、寺山社長によると「お客様センターは、お客様第一を掲げるうえで、非常に大事にしている仕組みです。ここに寄せられたご意見を反映して、様々な施設の改善につなげています」と強調。あくまで、電話対応は従来通り「通り丁寧かつ真摯に」が基本だといいます。

 しかし、次のようなケースで「電話を切ってもいい」という一定の基準を定めたのです。

・回答内容に問題がないにもかかわらず、30分以上同じ内容を繰り返し主張される場合。
・要求内容が不当な場合。
・威圧的な発言・口調の場合。

 今年8月末までに、22件の「切電」を実施。それは主に30分以上の電話だったそうです。いずれもその後トラブルに発展していないといいます。

 別の幹部は、「何かあれば『電話を切ってもいい』ということが、従業員の安心感につながっている」と話します。

 ちなみに、お客様センターは24時間365日対応。年間約63万件の問い合わせのうち、多くは渋滞状況や所要時間やルート案内などに関することで、クルマで移動中に電話をかけてくるケースが多いといいます。そうした情報はインターネットやアプリでも取得が可能です。

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