「首都高を“上尾”へ」ついに橋脚出現 「新大宮上尾道路」未完JCTの“ぐるぐる”新設で本格化へ どこまで進んだ?

まだ本線は姿も形もありませんが!

与野の“ぐるぐる”が「対」になる

 首都高の最北路線であるS5埼玉大宮線を、さらに北へ延伸する「新大宮上尾道路」の事業が進んでいます。2024年10月現在、その延伸に向けた工事で首都高の“新たな橋脚”が姿を現しています。

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与野出入口を移設するため、新たなランプの橋脚が出現している(画像:首都高速道路)。

 橋脚ができているのは、S5とS2埼玉新都心線が分岐する「与野JCT」です。同JCTは、S5とS2を結ぶループ状のランプがあるものの、それと“対”になるループがなく、広大な空白部が存在。そこに新たなループを造るための橋脚が姿を見せています。

 現在、S5とS2はつながっているものの、S5の本線は与野で終わり、そのまま「与野出入口」として地上の「新大宮バイパス」とつながっています。このままでは出入口が本線の延伸に支障するため、新たなランプを建設し、まず出入口を移設するのです。

 新しいループは、新大宮バイパスから首都高へ入る「与野入口」の移設用です。「与野出口」については、下り本線の右側から分岐する構造が、左分岐に変更され、新大宮バイパス本線の右側(中央分離帯側)にとりつく線形になると見られます。

 なお、これに伴い10月現在、新大宮バイパスの渋滞ポイント「円阿弥」交差点の下り線で右側1車線が規制されているほか、与野大宮通りへの右折分岐位置が移設されています。

 与野入口の工事は現在、橋脚の施工のほか地盤改良工事、橋桁の地組も行われており、今年度中には一部の架設に着手する見込み。まもなく、より“JCTらしい”姿が見えてくると考えられます。与野出口についても、橋台の施工が行われているといいます。

 さて肝心の本線ですが、現在は一部の工事と用地買収を行っている段階です。「宮前IC」をまたぐ橋脚の基礎工事は進められているものの、橋脚などの目立つ構造物が現れるのはまだ先の模様です。

 2017年度から始まった新大宮上尾道路の事業ですが、用地については、今年5月時点で進捗率35%(面積ベース)。さいたま市議会では事業の遅れを指摘する声もあります。

 現在事業化されているのは、与野からさいたま市境を越えて上尾市に入ってすぐの「上尾南」までの約8.0kmです。地上道路である国道17号「新大宮バイパス」ならびに「上尾道路」の慢性的な混雑区間をカバーする形ですが、県やさいたま市は、圏央道(桶川北本IC)まで約25km全線の事業化を強く求めています。

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