首都高は「クセ強」道路!? 信号・周回路・電車乗り換え…使えたら一人前な初見殺し名所の数々

東京を中心に道路網を広げる首都高速には、高速道路らしくないようなユニークな“名所”がたくさんあります。

「クセの強い名所」3選

 東京を中心に路線網を広げる首都高速は、限られた空間を最大限に使うため、ほかの一般的な高速道路ではなかなか見られない、ユニークな「名所」があります。今回はそのような“クセの強い”名所を3つ紹介します。

分岐・合流が無限に続く「箱崎ロータリー」(6号向島線・9号深川線)

 6号向島線から9号深川線が分岐する箱崎JCTは、下層部に箱崎出入口、清洲橋出口、浜町出入口、箱崎PAが併設されています。これらの6号線や9号線の本線と、各出入口・PAをつないでいるのが箱崎ロータリーです。長い楕円形の一方通行の道路を、時計回りに周回できます。

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箱崎JCT(画像:写真AC)。

 ただし、ロータリーは合流7か所、分岐8か所が次々と現れるほか、一時停止の停止線や信号機もあり、まるで迷宮です。標識をよく見て走れば大丈夫ですが、目的の分岐を通り過ぎてしまった場合は、もう一周できます。

 この箱崎ロータリーは、出入口やPAへのアクセスで利用するのが一般的ですが、周回構造を活用する方法もあります。

 例えば、C1都心環状線から9号線に進もうとしていたのに、箱崎JCTで誤って6号線に進入した場合、すぐ左側に現れる箱崎出口方面のランプへ向かいましょう。箱崎ロータリーを経由して9号線に復帰できます。

 また、6号線と7号線が分かれる両国JCTは、向島方面と錦糸町方面の行き来ができない構造ですが、箱崎ロータリーを経由すると行き来できます。

高速道路なのに信号機がある「美女木JCT」(5号池袋線・S5埼玉大宮線・外環道)

 用地の関係から、多層かつシンプルに造られたJCTがあります。5号池袋線・S5埼玉大宮線と外環道が交わる美女木JCTです。

 このJCTは「信号機があるJCT」として知られます。各方向を相互につなぐランプをいくつも造るのではなく、両本線で上下に挟まれた空間に平面交差の十字路を設け、これを一般道の交差点と同じように信号機で制御することで、相互の行き来を可能にしたわけです。

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高架3層構造の美女木JCT。一番上を通るのが首都高の本線(画像:NEXCO東日本)。

 美女木JCTの構造は、箱崎JCTなどと違って比較的シンプルですが、高速道路にまずない「交差点での信号待ち」に、初めての人は面食らってしまうかもしれません。

 ちなみにこのJCTがある場所は、地下に新大宮バイパス(国道17号)のアンダーパス、地上に新大宮バイパスと国道298号の平面交差、その上に外環道本線、美女木JCTの平面交差、首都高本線の順で高架橋が重なり合う5層構造(歩道橋まで入れると6層構造)となっており、用地の制約に苦心したことがうかがえます。

電車に乗り換え!? 駅チカの「八潮PA」(6号三郷線)

 6号三郷線上りの八潮本線料金所を過ぎたすぐ先に、八潮PAの入口があります。

 トイレや自動販売機はもちろん、セブン‐イレブン、リンガー食堂(軽食堂)、売店などもあり、首都高のPAの中では比較的充実した規模です。一般道から歩行者も出入りでき、PAの施設を利用できます。

 八潮PAの特徴は、駅に近く「乗り換えられる」ことです。6分ほど歩くとつくばエクスプレスの八潮駅にたどり着きます。

 常磐道方面から東京都心を目指す一部の高速バスは、この八潮PAにも停車するため、降車が可能です。都心方面が渋滞していて到着時刻が読めないときも、バス車内で乗継乗車券(100円)を購入すれば、つくばエクスプレスに乗り換えられます。

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 このほか、高速から降りずに東京駅地下街に直接アクセスできる八重洲線の八重洲乗客降り口や、池袋サンシャインシティの荷捌(にさばき)場に直結する東池袋出口など、知っていたら便利な施設や首都高ならではの“クセの強い”名所も存在します。注意深く走っているとユニークな発見がまだまだありそうです。

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