思わず二度見「翼つけ違えたとしか思えない」異形の旅客機…なぜこの形に? 主翼の角度がフツーの逆!

通常、ジェット旅客機の主翼は、後方に向かって角度のついた「後退翼」であることが一般的ですが、ドイツではその逆となる、前方に角度がついた形状を持つ主翼を設置した旅客機が研究されています。

これまでより「低高度&低速」であることから

 現在運航されているジェット旅客機の主翼は、翼端が後方に向かって角度のついた「後退翼」スタイルが一般的です。そのようななか、DLR(ドイツ航空宇宙センター)ではまるで「おもちゃのモデルプレーンの主翼を逆さまにつけてしまった」ような、主翼が前方に角度がついた形状の旅客機の研究をしています。どのような理由からなのでしょうか。

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ルフトハンザ航空のエアバスA340。主翼端が後ろ向きの「後退翼」が設置されていることがわかる(乗りものニュース編集部撮影)。

 この旅客機の設計案では、最大の飛行高度を2000m下げることで、環境への影響を軽減することをコンセプトの一つとして掲げています。しかし、現在の旅客機より高度が下がるとなると、その分空気の密度が高い場所を日常的に飛ぶ必要性が生じます。この低高度で効率的に飛行するため、主翼の取り付け角度を全面的に見直した結果、この「前進翼」のスタイルが研究されているとのことです。

 なお、この設計案では、巡航速度も見直され、従来機より最大15%速度を落とす必要があるとのことです。

 ちなみにこの機体が実用化する目処はたっておらず、あくまで研究段階です。このプロジェクトでは航空便における環境負荷低減のため、新しい航空燃料の採用や、巡航高度と巡航速度の工夫に加え、そうしたオペレーションに適応した航空機とエンジンの設計が研究されています。

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