ココ機内ですか!? 「個室ビジネスクラス」導入に名古屋便復活も キャセイの“攻めっぷり”がスゴイ!

香港のフラッグシップキャリア「キャセイパシフィック航空」が、日本便就航65周年を記念し東京でイベントを開催。各種展示や機内サービス提供に加え、ビジネスクラスへ導入予定の新シート「アリア・スイート」も公開しました。

「アリア・スイート」はどんなもの?

 香港のフラッグシップキャリアであるキャセイパシフィック航空が2024年9月13日(金)から15日(日)にかけ、日本への就航65周年を記念したイベントを東京ミッドタウンで開催しました。
 
 イベントでは、65年間の歴史などを紹介し、キャビンアテンダントの歴代ユニフォームも展示。特に目を引いたのは、キャセイが近々導入を予定しているB777-300ERのビジネスクラスの新シート「アリア・スイート」を、会場に設置された大型ディスプレーで体験できるというものでした。

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キャセイパシフィック航空が運用するB777型機(乗りものニュース編集部撮影)。

 キャセイによると、航空業界において競争力を維持するため、今後7年間で1000億香港ドル以上の投資をすることを決定。その中でB777-300ER型機には、ドアがスライドすることで個室形式の快適なプライベート空間を提供できる「アリア・スイート」を導入します。

 設備を見ると、シートはもちろんフルフラットで脚を伸ばしてゆっくり休めます。携帯電話用にワイヤレスの充電ポートを設けるほか、どんな座席位置からでもカスタマイズ可能なパーソナルライトを完備。さらにはBluetoothに対応した24インチの4K大画面テレビも備えるので、自分のスマホやタブレットに保存した動画などを、大きなモニターで観賞することも可能です。

 また、これまではタブレットを使うとき、手に持つか専用スタンドが必要でしたが、「アリア・スイート」では機内テーブルの一部にレール上の凹凸をつけ、そこにタブレットをスライドさせて載せられるようにしています

 従来のビジネスクラスにももちろん、エコノミークラスより高いプライバシー感はありましたが、通路との仕切りはないため、プライバシーが100%守られている感じはありませんでした。しかし、今回は個室なので、睡眠時は特に快適になると思われます。

コロナ禍が明け攻めのビジネス展開を

 B777-300ERだけでなく、キャセイは2025年、B777-9型機に新型のファーストクラスを導入する計画を立てています。2026年には、既存のA330型機を改良し、新たな客室とフルフラットベッドのビジネスクラスを導入する予定です。さらにA330-900型機30機を購入し、2028年からアジア各都市を中心に運航させるなど、コロナ禍が明けて攻めの姿勢でビジネスを展開していくようです。

 機内サービスも強化されます。ビジネスクラスとダイヤモンド会員を対象に機内Wi-Fiを無料提供するほか、『ミシュラン』の星を獲得している中華料理店「Duddell’s」やフランス料理店「Louise」などと提携し、上質なダイニングサービスを展開予定です。

 また、2024年10月28日(月)からは名古屋~香港線の午前便を、4年8か月ぶりに週3便で再開させ、名古屋からは台北経由を含み週17便が就航することになります。まさにこちらもコロナ禍が明けたことを印象付けるものでしょう。

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囲み取材でのネルソン・チン北東アジア地区総支配人(2024年8月、武田信晃撮影)。

 ところでイベントでは、「エッグタルト」という香港らしいスイーツが提供されたほか、イタリアのエスプレッソコーヒーブランド「illy」の本格コーヒーや、イギリスの高級紅茶ブランド「JING Tea」、キャセイ特製のクラフトビール「Betsy」などが振る舞われました。また、アメニティとして配布される「bamford」というブランドのクリームを使ってのハンドマッサージや、キャセイのグッズを売るショップもお披露目されました。

 円安で海外旅行がしにくい状況ではありますが、香港は日本から距離も近く航空券代も抑えやすい地です。それもあってか、イベントには海外旅行に関心がある大勢の人々が訪れていました。

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