自転車に乗ったとき、歩道と車道の段差に引っかかりコケました。こんなに高低差があるのはおかしくないですか?
自転車で車道の端を走行しているとき、危ない思いをするポイントのひとつが、歩道の「縁石の段差」です。この段差を越えられず、「横滑り」し転倒してしまうケースは珍しくはありません。この段差はなんとかならないのでしょうか。
場所によって違う「段差の高さ」
自転車で車道の端を走行しているとき、危ない思いをするポイントのひとつが、歩道の「縁石の段差」です。この段差を越えられず、「横滑り」し転倒してしまうケースは珍しくはありません。この段差はなんとかならないのでしょうか。
この段の高さは概ね標準化されています。例えば大阪府や敦賀市は、以下のように説明しています。
「車両出入口部において、車両が歩道へ進入する際は、歩行者の安全確保に配慮し、徐行して通過するように歩道と車道とに段差を設けており、その段差は約5cmあります。この段差は、歩道を通行する歩行者、特に視覚障害者が、横断歩道部分(約2cmの段差)との違いを認識でき、かつ、歩車道境界部が明らかに認識できる高さとなっております。なお、横断歩道部分の約2cmの段差は車いす使用者が困難なく通行できる高さとなっています。また、車両の運転者にもこの段差によって、タイヤの感触から歩道であることが伝わるものと考えられます」
ただ、それでも5cmの段差は自転車ユーザーにとって脅威かもしれません。道路設計事情に詳しい関係者は「縁石は車道の排水を歩道へ流れ込ませない役割もあるので、低すぎると問題になります」と、5cmの段差が、バリアフリーの観点以外からも効果があることを指摘します。一方、路肩部の排水も今は効率化しているため、縁石の低さはあまり問題にならなくなっているとも。
排水の問題もあり、かつては歩道全体を車道よりも15cm以上盛り上げた方式が基本で、境目となる切り下げ部の段差は5cm程度、かつ急勾配となるのが一般的でした。しかし今はバリアフリーの観点から、歩道全体の高さが5cm程度で、切り下げ部の段差が2cm程度となるセミフラット形式が基本になっています。
このように段差は低くなったものの、自転車に乗っていた人が段差で転んで大けがをし、道路管理者に損害賠償を求める裁判が起こされることもあります。しかし、この際、縁石の設計高さ自体は基準どおりであれば問題にされず、適正な通行であったかなどが逆に問われるというのが一般的な判例です。
09/23 16:12
乗りものニュース