防衛省が「有事にゾロゾロ蘇る旧式戦車」確保へ まるで幽霊戦車隊? ようやく「継戦能力」強化

今年3月に退役したあの戦車も!

戦車などの旧式兵器を長期保管へ

 防衛省は2024年8月30日、陸上自衛隊で使用しなくなった戦車などの予備装備品について、継戦能力を確保することを目的に長期保管を開始する方針を明らかにしました。 

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陸上自衛隊の戦車(画像:陸上自衛隊)。

 使用されなくなった旧式兵器を長期保管することは「モスボール」と呼ばれ、必要に応じて現役復帰させ、部隊に補充する措置が取られることになります。

 現在、ウクライナに全面侵攻しているロシア軍は、装甲車両に大きな被害を受けたため、保管していた大量の旧式戦車を現役復帰させているほか、ウクライナ軍もドイツなど他国が保管していた兵器の供与を受けています。また、アメリカ海軍にも「幽霊艦隊」という長期保管されている艦艇群が存在します。

 防衛省は、2025年度予算の概算要求に「予備装備品の維持」として7億円を計上。「部隊改編等で使用しなくなった装備品のうち、まだ能力を発揮し得る装備品について、管理コストを抑制しつつ長期保管を行い、必要に応じて部隊に補充する」としています。

 対象は、74式戦車、90式戦車、多連装ロケットシステム(MLRS)とのこと。概算要求に計上された7億円は、保管設備の設置費用を含むとしています。何両を長期保管するのか、どこに保管設備を設置するのかは明らかになっていません。

 現在、自衛隊で退役した戦車などの装備は解体されていますが、仮に有事で増産が必要になったとしても、すぐに必要な数を確保できるわけではありません。ようやく日本でも継戦能力が意識され始めたといえそうです。

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