空自「次期戦闘機」最終設計はいつ完成? 共同開発国の英企業の見解は エンジン開発の近況も

日・英・伊の3国共同開発の次期戦闘機開発プロジェクト「GCAP」において、原寸大模型が披露されました。ただこれは最終設計ではないとのこと。完成形はいつ公開されるのでしょうか。

2035年までの運用を目指す

 日本、イギリス、イタリアの3か国で進めている航空自衛隊の次期戦闘機開発プロジェクト「GCAP(Global Combat Air Programme)」。2024年7月には、英国側の開発の中心を担うBAEシステムズがフルスケール模型を初公開しました。

 しかし同社はこの模型について「設計の最中であり最終的な形状ではない」としています。最終的な全貌が現れるのは、いつになるのでしょうか。

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BAEシステムズが2024年7月に開催されたファンボロー国際航空ショーで公開したGCAP(グローバル戦闘航空プログラム)の次世代戦闘機に関する新たなコンセプトモデル(画像:BAEシステムズ)。

 今回、BAEシステムズ将来戦闘機システム事業部のジョン・ストッカー氏に話を聞くことができました。同氏は「3か国での共同開発をうれしく思います。2022年12月に3か国共同での開発が発表されてから約20か月がたちますが、政府間と企業間の調整はうまくいっています」としたうえ、次のように話します。

「企業間の協業に関しては、機体デザインが進んでいます。この結果、ファンボロー航空ショーでは、政府からの要求を反映したフルスケールモデルの公開ができました。また、BAEシステムズと三菱重工、レオナルド(イタリア)が主導する形として、GCAPに参画する企業との協業も進んでいます。次の目標のカギとなるのは、2025年には機体の全体の設計段階に入り、2035年までの運用を目指すことです。共同開発発表後の約20か月間で、2025年以降の計画も立てています」

 その一方で、「GCAP」はエンジンと機体の同時開発を行っており、これには徹底したスケジュール管理が必要となるでしょう。それに関する懸念などを聞いたところ、同氏は次のように答えてくれました。

「エンジンと機体は統合されたシステムなので、開発の主契約社である三菱重工、BAEシステムズ、レオナルドが一緒に管理しなければなりません。そのために開発スケジュールに合うように調整しています。エンジンについてはデモンストレーションに移っており、開発のスケジュールに合わせて作業を進めているとしか、ここではお伝え出来ません。しかし、デモンストレーションに移っていることからも分かる通り、企業間の調整はうまくいっています」

 なお、BAEシステムズは、先述のとおり「最終的な形状ではない」とコメントを出しつつも、今回披露したフルスケール模型について「現在考えている要素をある程度反映した形」としています。

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