「日本で最も遠い島」へ海自ヘリが出動!国産哨戒機と連携して急患輸送 「新型」救難機がデビュー

いったん本土と逆方向に行く!?

初めてSH-60K救難仕様が急患輸送を実施

 海上自衛隊・第21航空群は2024年7月25日、SH-60K救難仕様機を使用して小笠原諸島・母島での急患輸送を実施したと発表しました。途中、硫黄島でP-1哨戒機に救急患者を移管し、本土まで輸送したとしています。

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小笠原諸島の母島。本土から約26時間を要する(画像:写真AC)

 母島は、東京から1050km南に位置する離島。空港はなく、本土からのアクセス手段は海路のみで、父島で船を乗り換える必要もあります。所要時間は約26時間におよび、時間距離で「日本で最も遠い島」と言われることもあります。
 
 小笠原諸島には大きな病院がないため、島内の診療所で対応しきれない急患患者が発生した場合、自衛隊が出動する体制が構築されています。母島の場合、いったん本土と逆方向にある硫黄島航空基地まで救難ヘリコプターで急患患者を輸送し、そこから航空機にバトンタッチして厚木基地や羽田空港まで向かいます。
 
 SH-60Kは海上自衛隊の主力ヘリコプターで、アメリカのシコルスキー社が開発したSH-60B「シーホーク」艦載ヘリコプターをベースに日本独自の改良を施して制式化したSH-60J哨戒ヘリコプターの発展型です。今回、出動したSH-60K(救難仕様)は、その中の1機を改修することで生まれた派生型で、航空救難や災害派遣などで捜索救助を行ったり、人員および物資を運んだりするために、哨戒装備を取り外して機内スペースを確保しています。
 
 なお、第21航空群は2024年7月12日、公式Xにおいて、SH-60Kヘリコプターの救難仕様が硫黄島航空地に配備されたことを明らかにしていました。

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