それは自転車…じゃない!違反激増「モペット」取締りに密着 難しい見分け「怪しきは止める!」

警視庁がペダル付き電動バイク、いわゆる「モペット」の公開取締りを都内の繁華街で実施。違反走行が急増している電動モペットですが、「自転車」と見分けがつきにくく、警察も試行錯誤しているようです。

自転車のように見えるけど違います!

 警視庁交通部は2024年7月8日、ペダル付き電動バイク、いわゆる「モペット」の公開取締り、ならびに販売店や街頭での注意喚起キャンペーンを渋谷区で行いました。

Large 240708 mp 01

モペット取り締まりの様子(乗りものニュース編集部撮影)。

「モペット」は、ペダルを漕いで自転車のように走行することも、原動機(モーター)の動力のみで走行することも可能な車両を指します。これらの車両は一般的に原付バイク(原動機付自転車)と同じカテゴリーになり、公道で走行するためには、ウィンカーやテールランプ・ブレーキランプといった保安部品を装備し、ナンバープレートを取得するなど、原付バイク同様の要件を満たさなくてはなりません。

 しかし、そうした手続きをとらない違法走行や違法車両が後を絶ちません。警視庁は渋谷駅前で「モペットは自転車ではありません」と書かれたチラシを配ったほか、今後、販売する可能性があるスポーツショップを訪れ、注意点を説明しました。

 公道で行われた取り締まりでは、約1時間半で5件の交通違反があり、ナンバープレートなし、ヘルメット未着のほか、無免許も1件ありました。うち無免許に関しては外国人の違反です。乗っている車両は、見た目こそ自転車と大差のないものですが、改造ツールで“原付化”されていました。

 こうした、ひと目では自転車かモペットか分からない車両も多いため、怪しい車両はとりあえず呼び止める必要があるようです。

去年は56件 今年は既に5月の段階で397件!

「モペット」が絡んだ交通違反数は2023年が56件だったのに対し、今年は5月の段階で既に397件と急増しています。これは警視庁が取り締まりを強化したという経緯もありますが、事故も今年の5月までに14件発生しており、事故を未然に防ぐという背景もあります。

 警視庁交通部監理官の権田洋平警視は「ペダルがついていても、原動機の力で走行するものはバイク以上の乗り物となります」と注意喚起をしました。これらの車両に乗るためには、運転免許、ヘルメットの着用義務、ナンバープレート着装義務のほか、自賠責保険の加入義務、保安基準を満たす必要があるとのことです。

 なお、今回警視庁が配布したチラシでは「ペダル付き電動バイク(モペット)」と表記されていました。警察や行政などでは、モペットを「ペダル付き原動機付自転車」と呼称することが多いそうですが、「モペット」などの一般にも浸透している名称をあえて使っています。

「『ペダル付き原動機付自転車』ですと『自転車じゃん』と思われてしまう可能性もあるので、原付バイクと同じであることを強調したかった」と、担当者が普段使わない名称を使った理由を明かしていました。

ジャンルで探す