将来は新千歳空港に匹敵か?「北海道の宇宙の玄関」滑走路延伸でより使いやすく

国内唯一の民間にひらかれた”複合型”宇宙港

自衛隊の輸送機も発着OK

 北海道の大樹町にある場外離着陸場「北海道スペースポート(以下HOSPO)」の滑走路がこのたび1300mに延伸されたと、同地を運営する大樹町並びにSPACE COTAN株式会社が発表しました。

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大樹町が描く将来の北海道スペースポート。世界最大級の異形機ストラトローンチ・システムズの「ロック」らしき飛行機も見える(画像:北海道スペースポート)。

 HOSPOの滑走路は従来、1000mの長さしかありませんでした。開設は1995年で、当時、宇宙開発事業団(NASDA・現JAXA)と航空宇宙技術研究所(NAL・現JAXA)が研究・開発していた日本版スペースシャトル「HOPE」の実験誘致を目指し、大樹町が建設しています。3年後の1998年には舗装化され、これまで航空宇宙関連の実験やイベント、スカイスポーツなどに利用されており、2023年度は延べ43の企業・団体によって195日の利用があったそうです。
 
 そうしたなか、より規模の大きな実験や機体の受け入れができるよう、東に50m、西に250mの計300m延伸し、このたび1300m滑走路を持つに至ったとのこと。これは調布飛行場(滑走路長800m)や福井空港(同1200m)よりも長く、新潟空港のA滑走路(同1314m)に匹敵します。
 
 これだけの滑走距離があると、ターボプロップ旅客機ATR42の発着が可能なほか、軍用であれば日米を始めとして各国で使用されているC-130「ハーキュリーズ」輸送機を始め、日本が独自開発したC-2ジェット輸送機も離着陸できます。
 
 なお、今回の滑走路延伸工事と並行して、新たな人工衛星用ロケット射場「Launch Complex-1(LC-1)」の建設も進めており、完成後はインターステラテクノロジズなどの民間事業者による打上げを予定しています。

 また、HOSPOはアジアにおける宇宙ビジネスのハブを目指し、高頻度で多様な打上げに対応するため、新たな射場「Launch Complex-2(LC-2)」やP2P輸送(高速2地点間輸送)用の3000m滑走路の整備も計画しています。

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