エンジン多すぎ? 小型なのに「あえて4発」の異色旅客機 実は使い勝手◎な“先駆者”って!?
大型のジェット旅客機でもエンジンが2発の「双発機」が一般的になりつつあるなか、それより機体のサイズが小さい「リージョナルジェット」で、あえて4発のエンジンを搭載したモデルが存在します。なぜそのようになったのでしょうか。
使い勝手の良さが最大のメリット?
2024年現在、大型のジェット旅客機でもエンジンが2発の「双発機」が一般的になりつつあります。100席以下の客席数で短距離を飛ぶ「リージョナルジェット」では、ほとんどが双発機です。そのような小ぶりな機体に、あえて4発のエンジンを搭載したモデルが、イギリスのブリティッシュ エアロスペース(現BAE システム)が開発した「BAe 146」です。なぜ4発エンジンとしたのでしょうか。
「BAe 146」の最大の特徴は、使い勝手の良さと静音性とされています。この機に搭載されているエンジンは低騒音が特徴。これを4発搭載することで、エンジン1発が壊れた場合でも安全に飛行が続けられるほか、短い滑走路や標高が高く空気の薄い空港などでも運用できるというのが強みでした。
たとえば、ロンドン・シティ空港では、この機が多く活用されています。この空港はロンドン都市部近郊に位置し、空港周辺が市街地のため騒音規制が厳格で、降下角5.5度の急角度進入(通常は3度)が必要、かつ滑走路も約1500mしかないといった制約が伴うところです。
ちなみに、エンジン数を多くすることで短距離離着陸性能を向上させる設計は、日本が初めて開発したジェット機「飛鳥」でも見られるレイアウトです。また、近年世界の研究機関や航空機メーカーが研究・開発を進めている「電動航空機」の分野でも、出力の小さい推進装置を数多く配置し、離着陸能力の向上、騒音抑制を図る「分散推進」がトレンドとなっています。
ある意味でBAe 146は、その元祖的存在といえるかもしれません。
06/06 07:42
乗りものニュース