JR東海に「夢の豪華列車」誕生!? 東急と協力で運行へ 意外な「実現のきっかけ」とは
東急の豪華列車「THE ROYAL EXPRESS」をJR東海で運行する計画が発表されました。クルーズ列車とは無縁だったエリアに夢の豪華列車がやってきます。
「THE ROYAL EXPRESS」をJR東海管内で運行
東急とJR東海は2024年5月30日(木)、静岡県でクルーズトレイン「THE ROYAL EXPRESS~SHIZUOKA・FUJI CRUISE TRAIN~」を運行すると発表しました。2024年11月~12月にかけて3泊4日の旅行商品として6回運行されます。
この列車は、静岡県の観光振興を目的に、東急とJR東海が協力して運行するクルーズトレインです。使用列車は伊豆急行の2100系電車を全面的に改造した「THE ROYAL EXPRESS」で、インダストリアルデザイナーの水戸岡鋭治氏がデザインを手掛けています。
「THE ROYAL EXPRESS」は2017年に運行を開始しており、8両編成1本のみが存在。これまで北海道や四国などでも運行されましたが、その際は5両編成に減らし、機関車が牽引する形で走行しました。今回は北海道や四国のように、非電化区間やトンネル規格の制限がないため、フル編成となる8両で自走します。
運転区間は横浜~熱海~静岡~浜松~新居町~横浜。富士山や浜名湖、徳川家康を祀る霊廊として創建された久能山などが主な見どころとなります。横浜~熱海間の運行はJR東日本、熱海~静岡~浜松~新居町間の運行はJR東海が担当します。
今回走る東海道線は列車本数が多く、走行スピードを落としては走ることはできないとのこと。「旅客列車や貨物列車の合間を縫うような形でダイヤを組みました。また、富士山が見えるスポットで停車時分を確保する工夫もしています」(JR東海)
車内では、地元の名店が提供するフレンチや鰻なども提供される予定。水戸岡鋭治氏がデザインしたバスの利用も行程に組み込まれており、「水戸岡デザイン」の乗り物を満喫できます。
実現のきっかけは東急新横浜線の開業だった?
2024年5月30日に静岡市内で開かれた記者会見に登壇したJR東海の丹羽俊介社長は「昨年3月に開業した東急新横浜線の開業を契機に、東急と連携が深まり、静岡県内での『THE ROYAL EXPRESS』の運行実現に至りました」と経緯を説明。「地域の皆様と共に、静岡の魅力を存分に発信できる機会になります」と力を込めました。
東急の堀江正博社長は、「在来線の旅を通じて、静岡や日本ならではの魅力を再発見していただければ」と語りました。
旅行代金は75万円からで1回あたり30人の募集。ホームページと郵送での申し込み後、抽選での販売となります。東急の松田高広 社会インフラ事業部 事業統括グループ 担当部長は「北海道で運行した当初の抽選倍率は約8倍でしたが、最近は約2倍となっています」と話します。
●プラン日程(3泊4日計6回)
・2024年11月8日(金)~11日(月)
・2024年11月15日(金)~18日(月)
・2024年11月22日(金)~25日(月)
・2024年11月29日(金)~12月2日(月)
・2024年12月6日(金)~9日(月)
・2024年12月13日(金)~16日(月)
05/30 17:12
乗りものニュース