台風10号から離れた場所も厳重警戒 東海 線状降水帯発生の恐れ とるべき行動は

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愛知県、岐阜県、三重県、静岡県では、今夜(29日)から明日30日午前中にかけて、「線状降水帯」が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる恐れがあります。

台風接近前から400ミリ超えの記録的な大雨

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東海地方では、降り始め(25日18時)から今日29日15時までの雨量が、静岡県や愛知県で400ミリを超えた所があり、記録的な大雨となっています。
今日29日は、暖かく湿った空気の流れ込みが強まり、大気の非常に不安定な状態が続いています。今夜(29日)から明日30日午前中にかけて、愛知県、岐阜県、三重県、静岡県では、線状降水帯発生の恐れがあります。すでに記録的な大雨となっている東海地方ですが、甚大な災害発生の恐れがあるため、最大限の警戒をしてください。

雨雲レーダーを活用したり、土砂災害や浸水害、洪水害に関しては、気象庁のHPにある「キキクル(危険度分布)」で、最新の気象情報を確認するようにしてください。自治体からの避難の情報に注意し、早めの安全確保を心がけるようにしてください。

過去 線状降水帯発生時の雨の降り方

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今年6月、静岡県で線状降水帯が発生するなど、東海地方ではたびたび線状降水帯が発生しています。昨年2023年6月2日は夕方から夜のはじめ頃、愛知県に線状降水帯が発生しました。豊橋市の降水量推移を見てみますと、線状降水帯が発生した前後から、1時間に30ミリ以上の激しい雨が何時間も続きました。線状降水帯によって、どんどん雨量は増え、豊橋市の2日の総降水量は418.0ミリとなりました。広い範囲で浸水被害が発生するなど、東海地方では多くの被害が発生しました。

線状降水帯発生時にとるべき行動とは

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線状降水帯が発生している場合は、すでに土砂災害や洪水による災害発生の危険度が、急激に高まっている状態です。

自治体からの避難に関する情報を確認のうえ、早めの安全確保を心がけましょう。すでに避難することが危険な場合、家の中の、崖や川から離れたできるだけ高い所で身を守るようにしてください。(ただし、土石流が想定される箇所においては、危険な区域の外へ退避する、もしくは堅牢な建物の高層階に避難することが基本です。)

なお、土砂災害は、雨が弱まったり、止んだりした後でも、発生する場合があります。土砂災害の前兆は、斜面のひび割れ、異様な音・におい、湧き水が止まる、濁った水が噴き出すなどです。このような前兆を見つけた時には、すぐに、斜面から離れてください。

また、河川の増水・氾濫も大雨のピークが過ぎた後に発生する場合があります。雨が弱まっても川には絶対に近づかないでください。

台風10号 今後の進路

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台風10号は、今日29日午前8時頃、鹿児島県薩摩川内市付近に上陸しました。15時現在、雲仙市付近にあって、北へ毎時15kmで進んでいます。中心気圧は980hPa、中心付近の最大風速は30m/sです。この後も動きはゆっくりで、西日本を9月1日(日)頃にかけて縦断する見込みです。

【東海地方への最接近は?】
1日(日)から2日(月)頃になりそうです。台風の接近タイミングは、予想が変わるたびに遅くなっています。また、複雑な動きをする可能性もあります。台風の予報円は1日(日)以降、まだ直径がかなり大きい状況です。今後も台風進路の変化に注意してください。

72時間予想積算降水量 総雨量1000ミリ超えか

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今後も、台風10号の影響が続き、東海地方では広い範囲で危険な大雨が続く見込みです。今日29日15時から9月1日(日)15時までの72時間予想積算降水量(上図)では、三重県や静岡県の広い範囲で、濃い紫色で示される500ミリ~800ミリの予想です。日増しに雨量が多くなり、総雨量が1000ミリを超える所もありそうです。甚大な災害発生の危険度が高まり、いつ災害が発生してもおかしくない状況です。土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重な警戒が必要です。また、竜巻などの激しい突風や落雷にも注意してください。

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