台風10号 東海地方はすでに災害級の大雨 今後も影響長引く 早めに安全確保を
台風10号接近前ですが、東海地方ではすでに記録的な大雨となっています。災害発生の危険度が急激に高まり、いつ災害が発生してもおかしくない状況です。東海地方の最接近は31日(土)で、今後も影響が長引く見込みです。
台風から離れている東海地方 すでに記録的な大雨
愛知県や静岡県では降り始めからの雨量が300ミリを超え、8月の観測史上最大の記録的な大雨になっている所があります。愛知県蒲郡市や静岡県掛川市・浜松市天竜区などでは土砂崩れが発生しました。
東海地方では、昨日27日よりも雨の降り方が弱まっていますが、大雨災害への警戒を緩めないようにしてください。これまでの大雨ですでに地盤が緩んでいます。災害発生の危険度が急激に高まり、いつ災害が発生してもおかしくない状況です。
雨雲レーダーを活用したり、土砂災害や浸水害、洪水害に関しては、気象庁のHPにある「キキクル(危険度分布)」で、最新の気象情報を確認するようにしてください。13時現在、愛知県と静岡県では避難指示が出されている地域があります。自治体からの避難の情報に注意し、早めの安全確保を心がけるようにしてください。
いつ避難する? タイミングは?
土砂災害や川の増水などの災害は、急に発生して、一気に被害が広がるため、避難が遅れると、命にかかわります。
そこで、避難のタイミングが重要です。警戒レベル3の場合、高齢者や障害のある方などは、安全な所へ避難しましょう。警戒レベル4では、対象地域の方は、全員速やかに避難してください。警戒レベル5では、すでに安全な避難ができず、命が危険な状況です。このため、警戒レベル5緊急安全確保の発令を待ってはいけません。警戒レベル4までに、必ず避難してください。
天気が荒れてしまうと、道路状況が悪くなったり、暴風で物が飛んできたりするなど、避難の際の危険度が高まります。避難指示が出されていなくても、少しでも危険を感じたら、自ら避難しましょう。不安を感じたら、その時が避難のタイミングです。「自主的に、早めに、安全な所へ避難する」という防災意識をもって、避難する際は、近所の方々にも声をかけ、複数で行動してください。
台風10号 今後の進路
非常に強い台風10号は、今日28日正午現在、屋久島の南南西約90kmにあって北へゆっくり進んでいます。中心気圧は935hPa、中心付近の最大風速は50m/sです。台風10号は明日29日にかけて、非常に強い勢力で九州南部に接近する見込みです。その後、九州に上陸し、31日(土)から9月2日(月)にかけて、西日本から東日本を縦断する見通しです。
【東海地方への最接近は?】
台風の接近タイミングは、予想が変わるたびに遅くなっています。台風を流す上空の風向きが弱いため、直ぐに東へ進むことができない状況です。現在の予報円の中心を通ると、31日(土)午前中に最接近の予想ですが、更に遅くなる可能性もあります。今後も台風進路の変化に注意してください。
東海地方への影響は長期化
東海地方への影響は長期化し、この先も危険な大雨が続く見込みです。また、台風の接近・通過に伴い、風が強まり大荒れとなるでしょう。海上では、うねりを伴った波の高い状態が続き、明日29日からは、しけや大しけとなる見込みです。
【風の予想】
29日(木)に予想される最大風速(最大瞬間風速)
愛知県 海上 16メートル (30メートル)
三重県 海上 16メートル (30メートル)
静岡県 海上 15メートル (25メートル)
30日(金)に予想される最大風速(最大瞬間風速)
愛知県 陸上 16メートル (30メートル)
愛知県 海上 20メートル (30メートル)
岐阜県 15メートル (30メートル)
三重県 陸上 15メートル (30メートル)
三重県 海上 22メートル (35メートル)
静岡県 陸上 15メートル (30メートル)
静岡県 海上 22メートル (35メートル)
その後も非常に強い風が吹く所がありそうです。
72時間予想積算降水量
雨雲や雷雲が発達しやすい場所は日ごとに変化がありますが、東海地方では広い範囲で危険な大雨が続く見込みです。今日28日正午から31日(土)正午までの72時間予想積算降水量(上図)では、三重県や静岡県の広い範囲で、濃いピンク色で示される300ミリ~500ミリの予想です。日増しに雨量が多くなり、甚大な災害の危険度が高くなります。土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重な警戒が必要です。
08/28 13:59
tenki.jp