ヒズボラの地下「秘密基地」、イスラエル軍が見取り図公開…イランからの現金や金を隠してると指摘

 【エルサレム=田尾茂樹】イスラエル軍は21日、イスラム教シーア派組織ヒズボラがレバノンの首都ベイルートで資金を隠しているとする病院地下 ごう の見取り図を公開した。ヒズボラの弱体化を図るため、資金源を断つ狙いがある。

 軍報道官は記者会見で、ヒズボラの後ろ盾であるイランが石油売却で得た収入を現金や金で在レバノン大使館へ輸送し、ヒズボラに届けていると主張した。

 ベイルートの病院地下壕に現金や金が隠されているとし、地下の見取り図を示した上でレバノン政府や国際機関に対処を求めた。

 軍は20~21日、ヒズボラの金融部門とされる「カルド・ハサン協会」のレバノン各地にある拠点約30か所を空爆し、今月に入って担当幹部らを殺害した。

 1980年代に設立された協会はレバノン政府の認可を受け、シーア派住民を中心に20万人以上の顧客がいるとされる。イスラエルによる攻撃は顧客の不安をあおり、ヒズボラの支持基盤を揺るがす狙いとの見方もある。

 ヒズボラは、武器購入や民兵の給与支払いなどの資金管理に協会を利用しているとされ、米政府は2007年以降、制裁を科している。

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