「孫たちに へいへい渡す PayPayで」累計発行部数100万部超えの『シルバー川柳』シリーズ最新作に今年も秀逸な句が集結

『シルバー川柳14 ワシだって財布の中はキャッシュレス』(公益社団法人全国有料老人ホーム協会、ポプラ社編集部:編集/ポプラ社)

 毎年「敬老の日」に向けて開催される「有老協・シルバー川柳」。その傑作選となる『シルバー川柳14 ワシだって財布の中はキャッシュレス』が、2024年9月4日(水)に発売された。今年も選りすぐりのユーモア溢れる作品が勢揃いしている。

 「有老協・シルバー川柳」は、2001年より公募されている川柳企画。超高齢化社会を迎えた日本の世相を反映した作品が日本全国から寄せられ、第24回となる今年は1万2891句もの川柳が集まった。そんな中から、入選作20句と前年の応募作よりセレクトされた68句、さらに昨年から設けられた「有老協賞」の作品、計89句が同書に収録されている。

 今回で14作目を迎える『シルバー川柳』シリーズは幅広い世代が手に取る人気書籍で、累計発行部数は100万部超え。毎回集まる老化を明るく笑い飛ばす川柳の数々に、「他人事ではない様で、つい“あるある”と思ってしまう」「どの川柳も納得納得。連れ合いと声を出して笑いました」「毎回面白い句ばかりでファンになってます!」といった声が集まっている。

 例年の傾向として、「日常生活」や「老化、知力の衰え」といったテーマが多く寄せられる「有老協・シルバー川柳」。今年の入選作にも「時短家電 覚えるまでに 長時間」「見つめてる 考えている あら寝てる」「平均を 超えそうなのは 寿命だけ」といった、少し切ない“老化あるある”をユーモラスに仕立てた作品がラインナップされた。

 また、時事ネタを取り上げた川柳も多く見られるのが近年の特徴。今回は「孫たちに へいへい渡す PayPayで」「チャットより ちょっとは俺に 聞いてくれ」など、QR決済やAIチャットと日常をかけ合わせた一句がピックアップされている。

 ちなみに「シルバー」と銘打たれているが、応募者に年齢制限は設けられていない。今回は最年少が10歳、最高齢が103歳と幅広い年代から多種多様な川柳が集まった。なお、同書には21歳女性から寄せられた「推し活は 昔アイドル 今は医者」という一句も収録されている。

 そして第24回の「有老協賞」には、「春風に 帽子とられて 杖で追う」が入選。「老いを元気に楽しめる内容かつ有料老人ホームの生活」という、同賞のテーマにピッタリな一句だ。また入選作品以外にも「『出席』に 生きていたらの 但し書き」「モテ期きた ロマンス詐欺が 押し寄せる」「妻旅行 聞いた途端に 元気出る」などなど、思わずクスっと笑えてしまう川柳が盛りだくさん。

 そんな川柳が多数収録された同書に対し、俳優の梅沢富美男からは「思わず、プフッ。それからじんわり。人生の味わいが、この本には詰まっているね」と絶賛のコメントが寄せられている。何かと暗い話題も多い世の中だが、この一冊を読んで人生の達人たちから笑いと元気を貰ってみてはいかがだろうか。

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