シナぷしゅ飯田Pと語る!夜泣きと寝かしつけの悩みを救う救世主とは?【インタビュー後編】

◆前編はこちら

■「シナぷしゅ」YouTubeは駆け込み寺!? 深夜3時に約200人が視聴

かわちゃん:寝かしつけで特に行っていることはありますか?

飯田さん:やっぱり寝る前の一冊の本は大事。うちには“寝る前シリーズ”があって、毎日その何冊のなかの1冊を選んで読んでから、寝室に上がります。寝室ではその日にあったことを必ず思い返して、しゃべるようにしていますね。たとえば、息子を寝かしつけるときに「今日は朝ご飯を上手に食べて偉かったね。そのあと公園にも行ったよね」など、私がしゃべっていると息子はだんだん眠くなってきて……。それをコンテンツにしたのが、「シナぷしゅ」の「きょうのおやすみ」という歌です。

娘に対しても、生まれたときから同じルーティンを作っています。絵本を読み聞かせて、トントンしながら落ち着いたトーンで話しかけて寝かしつけをします。最近、私の話に相づちを打ってくるようになり、それがもうかわいくて(笑)。かわちゃんの家では、どうしてますか?

かわちゃん:うちはお風呂に入ったあとにミルクを飲ませたら、寝るんですよ。抱っこしてトントンして寝室のベビーベッドにゆっくり置いて、ちょっとだけ寝室のドアを開けてリビングへ戻ります。ただ、風の強い日はドアが急にバーンと閉まって、ギャア~ッて泣くので困ってますね。

飯田さん:私は自分の脱いだ洋服とかを丸めて、ドアを開けた隙間にかませています。風が吹いても緩衝してくれますよ。

かわちゃん:具体的なアドバイス、ありがとうございます! とはいえ、うちの子はまだ赤ちゃんなので夜泣きが止まらないことも。そこで以前、飯田さんに教えてもらった「シナぷしゅ」のYouTubeの24時間ループライブ配信を見ています。夜中の3時とかにライブ配信を見ると200人ぐらいが同時視聴しているので、うちの子だけじゃなく、全国のほかの子も夜泣きをしているんだと励まされます。

飯田さん:ファンの方からもそういった声は多いですね。赤ちゃんって、わけがわからなくて夜中に泣いちゃっているときが結構あるんですよ。そういうときに一回、正気に戻すために「シナぷしゅ」の好きなコンテンツを見せて、気分転換させるのに役立っていると思います。また、寝かしつけ用のオルゴールのBGMも配信していて、それをよく使っているという方もいらっしゃいますね。

■夜泣きしたっていいじゃない! 今だけの“ぜいたく”だから「大丈夫、大丈夫」

かわちゃん:飯田さんは2人のお子さんがいますけど、お兄ちゃんの寝かしつけのほうが大変だったのですか?

飯田さん:1人目のほうが、子育てのすべてが大変。それは親側の気持ちの問題で、やっぱり寝かしつけも、親が寝てほしいと思いすぎるとつらいんですよ。2人目だと、そのうち寝てくれることがわかっているから、気持ちに余裕がある。赤ちゃんが壁を蹴り出しても、「そのうち寝るよね」と焦らず見守れます。1人目のときは「壁を蹴らずに寝なさい!」と思いながらイライラしましたけど。

かわちゃん:いやあ、今はまさにその気持ちです。「なんで寝てくれないの!?」と絶望で……。

飯田さん:その寝てほしいと思いすぎる“圧”が伝わって赤ちゃんが寝られないという現象が起きますよね。2人目の妹はお昼寝のとき、おくるみにくるんで距離をとってほうっておいたら、最初はぐずっても自分で寝てくれます。下の子は割と“寝る力”があるタイプ。だから、どういうタイプ・個性なのかを見極めることが大切ですよね。ただ、それは2人目だからできることかなと思いました。

かわちゃん:1分の1(1人目)だと本当に難しいですね。

飯田さん:やっぱり育児は難しくてクリエイティブ。ねんねは特にそう。ネントレで、泣いても抱っこをしてはいけないなどありますけど、それで寝る習慣がつくとは限りません。こうじゃなきゃいけないというのはなく、その赤ちゃんに沿ったやり方が絶対にあるはずだと思います。

かわちゃん:別にしんどくなかったら、ずっと抱っこしていたらいいですもんね。

飯田さん:そうそう。だって、あと10年も抱っこはできないじゃないですか。抱っこしてトントンして寝かせる、そんなぜいたくなことはありませんよ。夜泣きして「早く寝て~」と思いながら過ごした大変な日々があったんだと、思い返す日がきますから。

かわちゃん:渦中は大変ですけど、過ぎ去ればいとおしい時間なんですね。よし、今日から頑張ろうっと!

■『シナぷしゅはじめてずかん』&『おさかなねんね』紹介
「はじめてずかん」は飯田Pの娘ちゃん&小魚くんの愛読書

かわちゃん:『シナぷしゅはじめてずかん』を、わが家でも読んでいます。これ、めちゃくちゃいいですよね。小魚くん(息子さんの愛称)は、最初こそ各ページの「ぷしゅぷしゅ」にひかれるんですけど、やっぱり魚のページが好きですね(笑)。

飯田さん:娘はペンギンが好き。パンダも好きだから白黒模様の生き物が好きなのかも。この本自体も、一冊にいろいろ詰まっているから娘のお気に入りです。

かわちゃん:それこそ、いろんなジャンルのコンテンツが見られる「シナぷしゅ」っぽい。乗り物好きの子も横断的に、食べ物のページのおにぎりを見たりできる。ごちゃ混ぜのよさってありますよね。

飯田さん:あります。「シナぷしゅ」の番組にも通じますが、そのなかから子どもたち自身にどれが好きなのかを選んでほしい。“選ぶ力”を身につけてほしいと思っています。

■飯田Pも太鼓判!『おさかなねんね』は寝かしつけにぴったり♪

飯田さん:かわちゃんが描いた前作の絵本『おさかなさがしえずかん』は、長男がめっちゃ読んでいます。かわちゃんのおかげで魚に詳しくなりました! 

かわちゃん:すごくうれしいー。380枚くらいイラストを描いたかいがありました。

飯田さん:新作の絵本『おさかなねんね』は、大きなイラストでシンプルな印象です。

かわちゃん:今回は絵に一番こだわりました。イラスト一点一点にこだわって描く難しさがありましたね。最初に登場する金魚だけでも何枚も描き直していますから。これまでとは描き方も変えて、魚のふちの線をグラデーションにしたんですよ。イラストがより映えるように試し試し描きました。

飯田さん:うん、すごくきれい。先ほど「寝る前に読む一冊」の話をしましたけど、これはそれにすごく合うと思いました。最後に「おやすみなさい」って書いてくれているから、ここまで読んだら子どもは寝てくれるはず。展開が多くなくて静かで、「おやすみなさい」で収まりがいいですし、内容もおもしろい。すごく売れると思います。

かわちゃん:ありがとうございます! 夜の水族館に取材で行ったときにこの作品のアイデアが出たんですよ。たとえばアザラシはボーンとおなかを出して、“休日のおじさん”みたいに寝たりとか、いろんなおやすみ方法があるんだなと思いました。

 この絵本を読んで、赤ちゃんが絶対に寝てくれるかといったら、わからないです。ただ、寝る前に読んで安心できるお守り的な存在の一つになってくれたら、これを描いた現役の父親としては一番うれしいですね。(2024年5月末日、KADOKAWAにて)

インタビュー・構成=小林智明
撮影=深田卓馬

飯田佳奈子さん
テレビ東京「シナぷしゅ」統括プロデューサー。1988年生まれ。群馬県出身。東京大学文学部フランス文学科を卒業後、2011年テレビ東京に入社。2018年に第一子を出産し、2019年に職場復帰してすぐに「シナぷしゅ」の企画書を提出。以降、「シナぷしゅ」の制作面の総合演出だけでなく、ビジネス展開も含めたコンテンツ統括プロデューサーを務める。2022年第二子を出産。二児の母。

さかなのおにいさん かわちゃん(川田一輝)さん
1990年生まれ。大阪府出身。さかなの“オモロい”生態や海の大切さをイラストや歌で伝えることで、子どもの「やさしい想像力」を育てる活動をしている。子ども向けTV番組「シナぷしゅ」で「おさかなしりとりずかん」「たってすわってたちうおバンザイ」「サメの歯はえほうだい」などの作詞作曲・うた・イラストを制作。著書に『おさかなさがしえずかん』など多数。また川田一輝としてラジオDJ・声優でも活動している。2023年秋に誕生した一児(通称:小魚くん)の父。

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