日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『ロボット・ドリームズ』をレビュー!

日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが新作映画をレビューする『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』。犬とロボットが織りなす、切なくも心温まるアニメ映画!

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『ロボット・ドリームズ』

評点:★3.5点(5点満点)

©2023 Arcadia Motion Pictures S.L., Lokiz Films A.I.E., Noodles Production SARL, Les Films du Worso SARL


©2023 Arcadia Motion Pictures S.L., Lokiz Films A.I.E., Noodles Production SARL, Les Films du Worso SARL

無限の関係性を投影できる「二人」の関係

動物たちが暮らす1980年代のマンハッタンを舞台に、孤独な犬と、彼が通販で購入した「友達ロボット」が友情を育むほのぼのアニメーション.......と思ったら、海水浴に行った先でロボットが故障して動かなくなってしまい(ロボットは重くて犬だけでは移動できない)、修理しようと道具を取りに帰って戻ってみたらシーズン終わりでビーチが閉鎖、来年6月までは入れなくなってしまう。

なんとかロボットのいるところまでたどり着いて修理しようという犬の試みはなかなかうまく行かず、一方ロボットは砂浜に横たわったまま、さまざまな救出の可能性や犬との再会を夢見る―「ロボットの夢」という題名はそれを指している。

原作はサラ・バロンによる同題のグラフィック・ノベルで、原作のタッチを活かした絵柄はキュートだが、不可抗力によって人間関係に距離ができてしまうこと、さらにそれぞれが別の時間を生きる中で、その距離が徐々に広がっていってしまうことの切なさを描いた物語が心を打つ。

それは「犬」と「ロボット」に、自分を含めた無限の関係性を投影できる作りになっているからだが、全体を包み込むのは絶望ではなく希望でありどこまでも優しい。

STORY:大都会ニューヨーク。ひとりぼっちのドッグは、ふと目にしたテレビCMに心を動かされ、友達ロボットを購入。ニューヨークの名所を巡り、深い友情を育んでいくドッグとロボット。しかし、ある日ロボットが動けなくなってしまう

原作:サラ・バロン
監督・脚本:パブロ・ベルヘル
アニメーション監督:ブノワ・フルーモン
上映時間:102分

全国公開中

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