“アフター更年期”に注意。エストロゲンは、悪玉コレステロールの産生を抑えたり、骨を丈夫にしたり。失われることで影響が
女性ホルモンの減少により、さまざまな不調が表れる更年期。しかし、はじめは原因がわからず悩む人が多いようです。どんな症状があるのか、またその上手な乗り切り方を教えます(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/岩田正恵《インパクト》 デザイン/米山和子《プッシュ》)
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自律神経を整える生活習慣がポイント
更年期特有の症状を和らげるセルフケアのポイントは、自律神経を整える生活習慣です。
「1日3回の栄養バランスがとれた食事や、筋肉を増やし骨を強くするための運動を心がけ、早寝早起きを習慣にしましょう。症状の程度は個人差が大きいのですが、生活に支障が出るほど重い場合は、更年期“障害”として治療の対象となります。減少する女性ホルモンを補う『ホルモン補充療法』で症状を軽くすることも可能です」(天野先生。 以下同)
更年期の症状は2~3年でおさまることが多いといいますが、人によっては長引くことも。
“アフター更年期”による体質の変化も
「更年期が終わりに近づき、エストロゲンの分泌がほとんどなくなると、症状も軽減。ある日突然、霧が晴れたように不調がなくなります」
つらい不調がなくなるのはうれしいことですが、それ以降の“アフター更年期”は、エストロゲンの恩恵がなくなることで体質が大きく変わる時期。
「エストロゲンには、悪玉コレステロールの産生を抑制して血管の柔軟性を保ったり、骨を丈夫にしたりする作用があるのですが、更年期後はその働きが失われるため、動脈硬化や高血圧、骨粗しょう症のリスクが高まります。いっそう生活習慣に注意して生涯の健康を守りましょう」
次回からは、更年期症状を和らげるコツについて詳しく紹介します。
07/23 12:30
婦人公論.jp